第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
コールはしばらく鳴り続け、ゆりは中々出ない。
「……ま、せいぜいホテル着いて休んでるところかな……
昨日今日のゆりちゃんといい、気張り詰める感じもあったし……」
タイスケが今日は諦めようとした時……
『もしもし?』
「っゆりちゃん!?」
ゆりが電話に出て思わずタイスケはソファーから立ち上がった。
『……今日は何ですか?』
「昨日今日の配信、俺も観てたよ!
ゆりちゃん達、でかい目標立ててすげぇって思ってさ!
俺らも、もっといいグループにしようってキスマイでも話してたんだ!」
『配信、見ててくれたんですね……ありがとうございます。』
「へへへ♪」
ちょっと呆れた声ながらも電話に出てくれたゆりに喜びを隠せないタイスケ。
電話の向こうからはユウの声も聞こえてきた。
『藤ヶ谷くん、なんか凄いテンション高いね……まぁあの藤ヶ谷くんが
2日以上連絡よこさなかった方が不思議だもんね笑』
「っ俺だって気遣える男ですー!!
初めての海外遠征で疲れてるだろうなって思って遠慮してたの!」
『……藤ヶ谷さん、もしかしてお酒飲んでます?』
「あーわかる?笑
俺普段飲まなくてたまに飲むくらいなんだけど
今日はいつもより飲んだかなー!」
『どおりでテンション高いんだね笑
普段さえもテンション高いのに……』
「っお前はいちいちうるせぇよぬいぐるみ!!」
ホントは酒よりゆりちゃんの声が聞けたことの方が
すげぇ嬉しいのが本音だけどここはお酒の力に頼ることにした。
『……パパも、あまりお酒は飲まないほうですけど
飲み過ぎないでくださいよ……?
まぁ、家なら問題ないでしょうけど……』
「ゆりちゃんのお父さんもお酒あまり強くないの?
なんか共通点あって嬉しいなー♪」
やっぱり、
俺とお義父さんって結構共通点多いのかな〜♪←「あ?怒」by.太輔
それにもしかして今、俺のこと心配してくれたのかな……
ホントゆりちゃんは無自覚に期待させてくるよなぁ……
三船のことが好きで、
俺のことが嫌いならもっと拒否ってくれてもいいのにさ……
そんなふうにされると、期待しちゃうじゃん……。