第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
「先ほどマネージャーやスタッフさんからも、
お褒めの言葉をいただきましたが私自信まだまだだと思っています。
これからのリハーサルも通して、本番では見てくださるお客さんを
全員満足させられるようなステージにしたいと思っています。
もちろん、コンサートが成功してもその出来に満足せずもっと高みを
目指していきます!本気で、世界を目指します。
だから、これからも私たちDolceを見守ってくださると嬉しいです。
……日本にいる皆さん、日本にいるファンの方々のおかげで私たちは
初めて海外でのコンサートを開催することできます。
そのことには、本当に感謝が伝えきれません。
日本に戻る頃には、今よりもずっと成長していると信じながら
日本に帰りたいと思います。これからも応援、よろしくお願いします!!」
ゆりはカメラに向かって約5秒ほど深々とお辞儀をし、顔を上げた。
そしてカメラに視線を戻すとニカッと満面の笑みを浮かべた。
メンバーも釣られるように満面の笑みをカメラに見せると
一斉にゆりの元に走り抱きついた。
現地のカメラマンもパシャパシャとその様子をカメラに収めた。
「うわっ!ちょっとみんな!!
カメラの前で急に何!?」
「ホントゆりはデカイことばっかり言うんだから!
そんな堂々と言われちゃ、なるしかないじゃん世界一に!!」
来海はクシャクシャとゆりの頭を撫で回す。
「ふふ……だからリーダーさん、これからはもっと頑張ってね?」
「当然だっつーの!!ゆりに良いところばっかりさせないからね!?
アタシだって世界一になるグループのリーダーなんだから!!」
「私は、世界一のグループになるだけなんてつまらないわ。
私はもっと高みを目指して、
世界で通用する随一の日本人モデルなんて目指しちゃおうかしら?」
「さっすが千鶴……デビューする前からモデル活動に力入れるだけあるね!
だったら私は、ハリウッドにも出れるような大女優目指そうかな!」
「「おぉぉ!!!」」」
「ふふ……またデカイことを……_ボソッ…なら私は、
ゆりのお母さんに負けないモデルになってみせる(微笑)」
「っ千鶴……ふふ、ママの壁は厚いよ?」
「百も承知よ?」
ゆりと千鶴はカメラの音声に拾われない程度の声で会話を交わした。