第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
「っゆりちゃん……」
「世界一、目指すならもっと頑張らないといけませんからね(微笑)」
涼介に向かって不敵の笑みを浮かべるゆり。
ここまで自信に満ち溢れたゆりは初めてだと涼介は心の中で思った。
「ふふ……そうだね。
俺たちマネージャーも、こりゃあ今まで以上に頑張らなきゃだね。」
「サポート、これからもよろしくお願いします!」
ゆりは元気に声を上げると涼介に頭を下げた。
「当然だよ。俺も、
みんなを世界一のグループにしてあげるつもりだからね。」
涼介side
百合ちゃん、天国で見てるかい?
君の娘は、本当に世界に羽ばたこうと、輝こうとしているんだ。
俺は君の分まで、ゆりちゃんを輝かせてみせるよ。
だから……
天国でもずっと、
ゆりちゃんを見守っていてね。
「ドルチェの皆さん!
リハーサルお疲れ様でした。せっかくですので、
ぜひ世界中に向けて一言お願いできますでしょうか?」
「「はい!!」」
「ふふ……今日最後のお仕事だよ。
締めの言葉、よろしくね?」
「はい!」
ゆりは元気よく返事をすると、メンバーと共に
メインカメラがあるステージに向かった。
そして来海、凪咲、来夢、愛美、千鶴、ゆりの順に今日の感想や
これからの意気込みを語った。
いよいよ順番は最後のゆりになり……
『では最後に藤ヶ谷ゆりちゃん!
世界中で配信を見ている皆さんに一言お願いします!』
「はい。配信をご覧になっている皆さん、
今日は私たちのリハーサルを見守ってくださり、ありがとうございます。
ファンクラブの掲示板やSNSも見させて頂いていますが
沢山の応援や励ましの言葉があり私は、いいえ私たちは皆さんの言葉に
助けられています。昨日も、
自分で言っておきながらなかなかの発言をしたなと思っていますが、
いずれはそうなりたいとメンバー共々誓い合っています。」
_コクッ「「……。」」
力強くゆりの言葉に頷くドルチェのメンバー達、
そしてゆりは言葉を続けた。