第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
『太輔は、もう私がいなくても大丈夫なくらい前に進んでる。
私が無理言って2ヶ月の猶予を貰ってるの……。
太輔は、ちゃんと理解したでしょ?私がいなくてもゆりをはじめ
沢山の人たちが太輔のそばに居るって、一人じゃないって……』
「っ……あぁ……そうだな。俺だってあの時、
お前が急にいなくなっても前ほど寂しいって思うことはなかったんだ。
お前がいないのは、当たり前のことだって理解したから……」
『でも、ゆりはまだ違う……
家庭訪問の時も、荒木先生が言ってたみたいに
前までの太輔みたいに今でも心の奥で寂しい気持ちを抱えている……。』
「……三船くんが、居てもか?」
『っだって……ゆりはまだ子供だよ?そりゃあ、
憲吾くんがゆりの運命の相手かもしれなくて、
私たちがゆりと同じくらいだった歳と比べれば大人だけどさ……
それでも父親である太輔と過ごせない子供時代だなんて……
寂しくなっても仕方ないよ……。』
「けど、この道はゆりが選んだことでもあるんだ……
俺は、俺らは見守ってやることしかできねぇんだよな結局は……」
『そうだね……
ゆりにだって憲吾くんをはじめ、沢山の人たちがそばにる。
その中で、ゆり自身が成長するしかないんだよね。
叶輔と一緒に……あとは憲吾くんが、
どれだけゆりを支えてくれるかだよね……
ゆりの運命の相手が本当に彼なら……』
「……ぶっちゃけ、俺は三船くんがこれからのゆりを
支えてくれるんじゃないかって思ってるけど……
お前はそうじゃないのか?」
『うーん……正直、わかんないよ。それも本人が決めることだけどさ……
ゆりにはまだ沢山の可能性が秘めらてる訳だし……
タイスケくんだって、わからないよ?笑』
「え……」
(絶対嫌なんだが俺は……)←
『太輔の気持ちも親としてはわかるけどさー笑
でも、タイスケくんだってゆりのこと本気なんだよ?
それこそ……私が太輔に片想いしてた時みたいにさ……』
「っ……」
『もし憲吾くんが本当にゆりの運命の相手で、沢山の試練が
これから起きたとしても2人で乗り越えていけるなら
2人は本当の意味で結ばれる……。』
「……それも、神様とやらが仕組んでか?」
『……。』