第9章 ☆Story27☆ ミラーツインズ、双子の兄弟
ゆりside
ホテルからスタジアムへは車で30分ほどの距離。
現場に着いたゆりたちは早速スタジアムの中に入っていた。
「っす、凄い……改めて見ると圧巻される……」
ゆりは口をぽかんと開けながらステージ上からスタジアム内の眺めていた。
_フッ「ここに来るお客さん全員を感動させるんでしょ、ゆり?
もう弱音吐いちゃうの?」
クスッと笑う千鶴はゆりを茶化すように言った。
「っそんなわけないでしょ!!
……もう、宣言しちゃったわけだしそんなこと……」
「そうだね〜
私たちが言ったこと全部、世界中に配信されちゃったもんね〜(苦笑)」
(SNSもすごい反響だったし……)
「っ……それに!
ここより北京の方が凄いんでしょ?
これくらいで弱音吐くわけないでしょ……」
(でもちょっとプレッシャーが……汗)←
堂々と宣誓した割にはプレッシャーがのし掛かるゆりだった。
「「頑張れ、我らがエース・ゆりぴー笑」」←
「っ……!!
みんなも頑張るの!!!」
「ったくみんなったら……笑
その様子も、配信されてるんだよ?」
(藤ヶ谷さんたち家族も、見てるだろうになぁ……)
涼介が微笑ましそうにゆりたちを見る中、日本にいる瑛二から着信が入ってきた。
「ぁ、社長からだ……_ピッ、もしもし山田です。」
『あぁ涼介、そっちの様子はどうだ?
生配信の映像を見る限り、特に変わった様子は見られないが……』
「はい!
むしろ、日本にいるときよりも気合が入ってる感じがします。
この様子でいけば、満足のいくパフォーマンスができると思います(微笑)」
『そうか、それならいい(微笑)
では予定通り、5日後の7日に初演は行えそうだな。』
「はい。
用件はそれだけなんですか?もしかして、何かトラブルか何かありましたか?」
『いや……トラブルはないんだ。
ただ……今凶悪犯がソウル内に逃走中らしくてな。』
「っ凶悪犯……?」
『あぁ。その犯人は未成年を性的暴行した上で殺害している……』
「っそんな奴が、ソウルに……」
『あぁ……そちらに滞在する間、十分に注意を払ってくれ……。
まぁ犯人も、わざわざゆりたちに手を出す真似はしないだろうけどね……』
「っ……」