第9章 ☆Story27☆ ミラーツインズ、双子の兄弟
二手に分かれ、圭吾は勇吾と共に行動をしているが
今段階では犯人追跡の情報は掴めていなかった。
「っ聞き込み調査ではまだなにも出てこない……
韓国は日本人観光客も多いからな……」
圭吾は犯人の写真を見ながらため息をついた。
「……その男、なにやらかしたんだ?」
「……とても卑劣な犯人だよ。出雲暁彦イヅモ アキヒコ、33歳。
当時14歳だった女の子を誘拐して監禁した挙句……犯してそのまま殺害、身勝手な犯人だよ。
強制性交等罪と殺人罪で追ってる……」
「処刑にしてもいいくらい最低な奴だな……」
(14……藤ヶ谷ゆりと同じくらいか……)
「……今の日本の法律じゃ、それは無理だよ。」
「ふんっ……昔より色々変わったっていうのに、馬鹿みたいな法律は変わってねぇのかよ……」
「まぁしょうがないよ(苦笑)
……でも、ここまで卑劣な犯人は許せないよ……
このまま放っておいたら、また別の子が被害に遭ってしまう可能性だってあるんだ……」
「……そういや、藤ヶ谷ゆりとかもソウルに来てんだってな。
頭のネジ外れてる奴だったら、そいつら狙われるんじゃねぇか。」
冗談半分で言う勇吾、圭吾は驚きつつも呆れ顔で勇吾を見た。
「っなに馬鹿なこと言うんだよ!!
……お前、言っていい冗談と悪い冗談あるだろ……」
(もしそんなことあったら、また憲吾が……)
「っ冗談だっつーの……警備は万全だろうし、
仮に手を出そうとしたところでSPかなんかに掴まんのがオチだろ。」
「だとしてもゆりちゃんたちが狙われるなんて冗談、言わないでよ!
このこと憲吾知ったら、憲吾に嫌われるよ?勇吾。」
「……。」
(それはやだ。)←
「弟が大事なら!その彼女も大事にしろ!」
「ふん……」
こんな話をしながら二人は遅めの昼食をソウルの屋台街で済ますことにするのだった。