第9章 ☆Story27☆ ミラーツインズ、双子の兄弟
憲吾side
「三船くん!
明日には無事退院できそうだね。」
「はい、そうですね……」
昨日よりもすっかり回復した憲吾、
今は丁度担当看護師の高木さんに点滴を外してもらっているところだった。
「よかったよかった……あ、そうだ三船くん。」
「はい?」
「三船くんってゆりちゃんのファンなんでしょ?」
「っぇ……え、ぁ……まぁ……」
(そうなるのか……?汗)←
ちょっと吾郎を恨む憲吾、
そんな憲吾をよそに高木さんは病室に備え付けてあるタブレットを操作し憲吾に渡した。
「はい、これ(微笑)」
「ぇ……」
憲吾は疑問に思いながらもタブレットを受け取り画面を見た、そしてそこには……
【私たちは、
世界で通用するアイドルになります。
世界一のグループになるつもりです。】
「っゆり!」
「っおお?!」
(やっぱガチファン……?汗)←
思わずびっくりする高木さん、
憲吾はただ画面越しに映されるゆりを見続けた。
「っ……」
(っ世界一に……お前も、世界を目指すのか……)
自身の夢もオリンピックで優勝すること、世界一になることが最大の目標である憲吾。
固唾を飲みながらゆりを見ていた。
「……フッ
世界一、か……」
そして軽く口角をあげ、憲吾は新たな決意を心に刻んだ……。
「お前が世界一になるなら、
俺だって世界一になってみせる。」
お前なら……絶対になれる、そんな気がする……だから、
俺もそれに見合う男になってみせる……。
ゆりの傍にいても、
恥ずかしくないくらいに……。
そう心に刻んだ憲吾、憲吾はタブレットを高木さんに返した。
「三船くん……?」
「……俺、絶対オリンピックで優勝……世界一になってやるから……」
「っ……うん!君ならなれると思うよ、頑張って!」
「ありがとうございます……」
(そうなる為には、もっと練習が必要だ……美澤さんもチャンスくれるっていうならそれにだって……)