第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
『っ……』
鮮明に思い出すゆり、ゆりは掴んでいた憲吾の服から手を離した。
「ゆり……」
「……。」
『っ……廉さん、私……』
廉を見上げるゆり、廉は言葉を続けた。
「……俺、命日の時言ったよな?
俺はこの曲を、『他の奴には絶対渡さない。』
お前が引き受けないなら『話自体なかったことにする。』って……」
『っ……_コクッ…』
「けどお前は今日……この曲を『背負う資格がない。』、
『もっと素晴らしい人がいるはず。』と言った……そうだったよな?」
『っ……はい……』
「お前がこの曲を歌う歌わないは勝手だ……だがな、」
『っ……』
「俺が大切にしてきた曲を……
誰かにあっさり託そうとしたり返そうとしたことが
俺にとって一番許せねぇんだよッ!!!」
『っ!』
「……お前は、北京でのライブは俺より完璧に歌いやがった……
やっぱり、お前に託して正解だったって心の底から思ったんだよ。
お前は……
十分に母親を超えてるってな……。」
『っ……!?』
(私が、ママを超えて……?)
「……現に、今日お前はこの圧倒的不利な状況からここまで会場を回復させ
大方のファンの信頼は取り戻した……あんなことがあって
まだ1ヶ月も経ってねぇのに大したもんだ……」
『っ……』
小さく微笑む廉、ゆりを息を呑み込んだ。
「お前にはまだ、未知と無限の力が宿ってる……なのに、
彼氏と上手くいってねぇくらいで俺に返そうとしてんじゃねえよ!」_バコッ!
『い〝っ!』
ゆりの頭を叩く廉、ゆりは思わず頭をさすった。
「……年下で、ましてやガキをここまで認めたのなんてお前が初めてだ。
……お前、『Miss You』をこれからどうするつもりなんだ?
返答によっちゃ、また殴るぞ?思いっきりな……」
『っ……私は、』