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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編


「「……汗」」

『うぅ……涙』


完全に廉に怯えてしまったゆり、
だがこのまま黙っているわけにもいかないのでゆりは意を決した。


「おい……まさか覚えてねぇってことはねぇよな?」

『っ……私は、もう「Miss You」を歌わないって言いました……』

「そうだな……その理由は、なんだ?」

『っそれ、は……私は、「Miss You」を憲吾の為だけにアレンジして、
私の想いをぶつけた曲、にしたから……憲吾と一緒にいる資格がない
私には、もう必要ない……って思ったから……』

「……。」


廉はゆりの言葉を黙って聞いていた。


『……前の私は、もう憲吾や「Miss You」に頼らないつもりでいました。
だから今日やるはずだったソロコーナーでも、
「Miss You」だけを抜いてもう一度生まれ変わろうとした……』

「……。」

「っゆり……」
(そこまで、この曲を……)


顔を俯かせるゆり、廉はしばらくすると口を開いた。


「……俺がお前に最初この曲渡した理由、何だったか覚えてるか?」

『ぇ……』

「俺は、お前にそういう意味で渡したんじゃねぇんだよ。
お前の好きな奴に想いを伝えるためにアレンジしろっては言ってない。
そうだろ?」

『っ……はい……』

「俺は……お前の将来を見込んで曲を渡したんだよ。
今世界目指してるように、お前はこれからどんどん飛躍していくと
思っていたからな……。」

『っ廉さん……』

「それに、俺はお前にもう『Miss You』を託した。
受け継いでもらいたいって思ったから……俺がお前に怒ってる理由、

俺はお前が『一生歌わない』って言ったことに怒ってんじゃねぇよ。
受け継いだはずの曲を『俺に返す』ってことに俺は怒ってんだよ!!」

『っ……!』


廉の言葉に大きく目を見開くゆり、ゆりは初めて廉に
曲を託された時、母の命日の出来事を鮮明に思い出していた。












「俺にも、それなりに思入れのある曲なんだよな……」

「っそんな、大事な曲を私に……?」

「……この曲は、何らかの形でこれからも誰かに受け継いで欲しい……
俺はそう思った。美男にとっても、大切な曲だから……」

「廉さん……」









『っ……』
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