第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
獅依留同様に会場を沸かした優紀、
優紀はお辞儀をするとマイクをいよいよ廉に渡した。
「私が告白したいことは以上です!
……ここからは、桂木廉さんに変わりたいと思います。
桂木さん、お待たせしました。」
両手でマイクを廉に渡す優紀、
マイクを受け取ると廉は観客ではなくゆりに体を向けた。
「おう……ありがとな、」
『っ!?』
(なんでマイク持ってこっち見るの!?)
「……おいゆり、」
『は、はい!?』
(だから何!?)
いつもの顰めっ面でゆりを見る廉、
ゆりは思わず体をびくつかせた。
「なんだその驚いた顔……まるで俺が何を言いたいか
わかってねぇような顔だな……」
『っえっと……あ。(汗)』←
さらに表情を歪める廉の顔で廉が言いたいことが何かを察したゆり。
ゆりは肝が冷える感覚に陥るのだった。
「ようやく理解したか……俺がわざわざ人様のステージにまで上がった理由……」
『っ……はい……汗』
「ゆり……汗」
(俺も、なんとなく理由わかった……
確かこの人が、Miss Youの本来の持ち主で……)
憲吾も少し冷や汗をかきながらゆりを見守った。
そして廉は深呼吸をすると……
「…………お前は馬鹿なのかああ?ああ!?怒」←
『ひ!ひいぃぃ!!涙』←
「っ……汗」
(耳が……こんな至近距離でマイク使うなよ……汗)←
突然大声を出す廉にびっくりしたゆりは思わず憲吾の服を掴んだ。
憲吾もマイクのキーンっという音に顔を引き攣らせた。
「お前……最初の謝罪で何言った?
言ってみろ……」
『っぅ……それは……涙』
(なんで今ここでお説教されるの!?
確かに廉さんには悪いことしたって反省してるけど今ここで!?
普通ライブ終わってからじゃないの!?)
憲吾の後ろに思わず隠れようとするゆり、憲吾は少し複雑に思いながら
そっとゆりを廉と向かい合うようにした。←
『っ!?涙』
「……汗」
(こればっかりは俺も他の奴らも何も言えん……)
「「……汗」」
憲吾以外のタイスケたちもそれは同じで
複雑な思いでゆりを見守っているのであった。