第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
ゆりが喋り出す前になんとか2人の元に辿り着いたキラ。
『っゆり!憲吾!』
『っキラちゃん……!
どうしたの急に……それにユウまで連れて……』
『憲吾、アンタにもここに居るみんなに対して伝えたいことあるんでしょ?』
「っ……あぁ、」
『なら、ゆりのマイク使って。
これなら後ろまで届くから。』
「っ……」
憲吾にマイクを渡すキラ、そしてユウをゆりに押し付けるよう渡した。
『ほらっ!』
『っちょ…!』
『っ!?(僕の扱い!!)』←
『ユウ居るほうが、ゆりも安心して話せるでしょ?
じゃあ私は裏戻るから、5分くらいあれば大丈夫でしょ?』
『「っ……」』
『じゃ、』
『っありがとキラちゃん!』
『……(微笑)』
キラは微笑むと走って裏方の方へ戻っていった。
そしてゆりはユウを抱き直すと深呼吸をした。
『……ふぅ……』
「ゆり……」
(大丈夫だ、俺もいるから……)
『皆さん!』
そして会場に向かって声を出すゆり、
ゆりは会場一帯を見渡してから話し始めた。
『皆さん、先ほどはお見苦しいところをお見せしてしまい申し訳ありません。
私の行動が原因で、あのような事が起きてしまいました。
コンサート冒頭でお話しした件に続いて重ね重ねお詫び申し上げます。』
頭を深々と下げるゆり、
そんなゆりにはファンの声が聞こえてきた。
「大丈夫ー!!」
「気にしてないよー!!」
頭を上げゆりは言葉を続けた。
『……私が冒頭で話した事は本当です。
ですが一つだけ、誤りがあります。
私は、皆さんにひとつだけ嘘をついていました。
そのことを、謝らせてください。』
「「「っ……」」」
『私に、恋愛感情を持つ人がいないと言ったことは嘘です。』
_ざわざわざわ…
ゆりの言葉にざわつく会場、それでもゆりは話し続ける。
『嘘をついてしまい、本当に申し訳ありません。
私は皆さんやこれまで築き上げたものを
失いたくないあまりあのようなことを言ってしまいました。
ですが逆にそれは、
皆さんや隣にいる三船憲吾さんを傷つけてしまう結果となってしまいました。
本当に、申し訳ありませんでした。』