第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
男をスタッフたちが居るほうへ放り投げた剛太はその方向に体を向けた。
『本当はこれくらいじゃ足りないが、
俺までこれ以上ゆりたちのステージを汚す真似はしたくない……。
スタッフさん、あとはソイツら頼みます。』
「っぁ…はい……」
男をなんとかキャッチしたスタッフも漠然としながら思わず『はい』と頷いた。
剛太は再びゆりと憲吾に体を向けこちらに歩み寄ってきた。
『「っ……」』
『俺がすべき事は終わった……あとは、お前たちの好きにしろ。』_ぽんっ
『「っ!」』
剛太はゆりと憲吾の肩をポンと叩くと2人の横を抜けステージから降り
そのままどこかへ歩いて行ってしまった。
そしてステージ上にはゆりと憲吾、5人のアンドロイドたちだけが残された。
ノワたちはとりあえず散らかってしまったステージを綺麗にすべく
CDやグッズなどを回収し始めた。
その間ゆりは何かを決心したかのように立ち上がった。
『っ……』
「っゆり……?」
それを少し不思議そうに見上げる憲吾、
ゆりは憲吾を見おろしながら口を開いた。
『私、今ここでみんなにはっきり伝える……憲吾が、
私にとって何より大切だって……』
「っ……」
『だから憲吾……』_スッ…
「っ!」
ゆりは呆然としている憲吾に手を差し伸ばした。
憲吾は一瞬驚きつつもその手を取り立ち上がった。
「あぁ、わかった……俺も一緒にいるよ。」_ギュッ…
(俺たち……もう離れないって誓ったもんな……それに俺も、
ここにいる人たちに伝えたい……ちゃんと……)
『ありがと憲吾……(微笑)』
「……(微笑)」
立ち上がりお互い微笑み合うゆりと憲吾、
ゆりは憲吾の手を取りセンターステージの中央へ誘った。
その間憲吾はゆりの耳元でこう口を開いた。
「なぁゆり……」
『ん?』
「俺も、ここにいる人たちに伝えたいことがあるんだ……いいか?」
『ぇ……えっと、うん……いいよ?
じゃあ私が喋ったあとに憲吾ね?』
「あぁ……」
ゆりは少し戸惑いつつもOKと許可を出した。
果たして憲吾が伝えたいという事は一体何なのだろうか……。