第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
『私だって、憲吾が傷つくとこもう見たくない……。』
「っ……」
『憲吾……散々傷つけてきちゃったのに今更かもしれない……けど、
私はやっぱり憲吾のことが好きなの……憲吾しか、好きになれないの……
もう、嘘つきたくないよ……』
「っ!」
涙を流しながら胸の内に秘めていた本音を言った。
憲吾は大きく目を見開きただゆりを見た。
そんなゆりは小さく微笑み憲吾を見上げていた。
『……(微笑)』
「っゆり……」
ペンライトを投げつけた男が呆然としてると2人の元に辿り着いた
お鶴たちアンドロイドは男を取り押さえに掛かった。
真っ先に男の首元に腕を回したのは来海のアンドロイド・ノワだった。
_ガシッ!『確保!!私たちはアンドロイド、
アンタ人間一人の力じゃ敵わない……観念なさい。』
「っ!」
『ステージを台無しにした挙句、演者にまで手をあげるなんて
立派な営業妨害と傷害よ。運営もこれを見逃すと思って?
きっちり制裁を受けてもらうわ。』
「くっ……」
凪咲のアンドロイド・NAGIは冷静に男に告げた。
歯を噛み締める男、男は自分の仲間達のほうに目を向けてみたが
既に現場スタッフにより取り押さえられていた。
もう何も言い逃れも逃げることもできない男、だが男は負け犬の遠吠え如く
最後の悪足掻きを見せた。
「っ……何もかも藤ヶ谷ゆりが悪いんだよッ!!
これまでのCDもアルバムもグッズも全部買ってきたッ!!
取れたチケットは全部金払ってこっちは来てやってんだよッ!
散々俺に金貢がせておいて彼氏だぁ!?
それだけでも立派な裏切りだっつうのに今度は男遊びときたものだ!!」
『っ……』
「っゆり……」_ギュッ…
思わず顔を俯かせるゆり、憲吾はゆりを抱きしめると
歯を噛み締めながら憲吾はノワに取り押さえられている男を見上げた。
『っ……アンタ、いいk「芸能人ならまだしも
何で俺と同じ一般人が彼氏なんだよ!!」
ノワの言葉も遮りまだ叫び続ける男。
「こっちが必死で貢いでんの馬鹿みてぇじゃねぇか!!
他の奴らだってそう思ってんだろッ!!」
「「そーだそーだ!!!」」
「「「……。」」」
男の声に賛同する残りの5人、他の男性ファンは何とも言えない表情で顔を俯かせた。