第8章 ☆Story26☆ いざ韓国へ!
「……多分、俺がゆりを意識し始めたのはその頃だと思う。
吾郎に言われるまで気づかなかったけど……
俺はゆりを好きになっていたんだ……
それで、吾郎に夏祭りに誘えって言われて……」
「へぇ……じゃあ、憲吾の方からデートを申し込んだんだ?」
「っ……」
「ふふふ……憲吾もちゃんと恋ができるんだね笑」
「っるっせぇな……」
「んで?」
「勇吾も、すっかり憲吾の恋バナに夢中だね。」
「っ別にちげぇし……んでその後どうなったんだ?」
「……まぁ、ゆりも受け入れてくれて……
普通に夏祭りを楽しんだよ。でも……」
「「……。」」
「俺が自分でゆりを好きだって自覚したのは、
花火を見ていた時だった……
その前にゆりと藤ヶ谷が一緒にいて……」
「「嫉妬か。」」
口を揃える圭吾と勇吾、さすがは双子である。
「……それが、すごく嫌で……自分が自分でないような感覚がした……
それで、花火を見てる時……思わずゆりにキスをした……」
「「……。」」
((いきなり過ぎないか……))
今度は目をパチクリさせる双子、仕草は全く一緒だった。
「それで、その時の気持ちをゆりに伝えた……」
「それで、2人は両思いになったの?」
憲吾は圭吾の問いに首を横に振り、
「俺は、その時逃げたんだ。
ゆりの返事を待たず……でもゆりは、
次のライブで俺に歌を聴かせたいって言ってくれた。
その歌が、『Miss You』って曲で、ゆりがアレンジしたんだ。」
「『Miss You』って……どこかで聞いたことあるな……
その曲を、憲吾に?」
_コクッ「ライブが終わって、連絡を取り合って……」
「それで両思いになって今に至るわけか……」
「まぁ……」
「……なんで藤ヶ谷ゆりが班田に目をつけられたんだ?
お前の彼女だからか?」
「ゆりが班田に絡まれた日以来、
班田は俺と関わったゆりにまで目をつけた……
その時は、ただ絡まれていたところを助けただけなのに……」
「「……。」」