第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
『っ……ぃや!』_パチンッ!
「っ!」
咄嗟に左手で男に平手打ちをするゆり、
男の視界はゆりからセンステに向けられた。
側から見れば自業自得に思えるかもしれないが男にとっては
そう思わないものであり自身のプライドを大きく傷つけられたと
怒りを露わにしていた。
「っ餓鬼が……クソ餓鬼が……
これまで俺がどんだけお前に貢いできたと思ってんだよッ!!!」
『っ!!』
男は右手に持っていたペンライトを振り上げた。
そして男はそのまま勢いよくペンライトをゆりに向かって投げつけた。
至近距離で投げられたゆりは恐怖でギュッと目を閉じ
本能で両腕で頭と顔を覆い衝撃に備えた。
だがその瞬間、
「ゆりッ!!!」
『っ!』
一番大好きな人の声が聞こえ
ゆりはその人に守られるよう抱きしめられた……。
その正体はもちろん、
_ガンッ!「くっ…!」
『っ憲吾……!!』
(嘘……何で……)
誰よりも先に前へ飛び出した憲吾だった。
憲吾はペンライトが投げつけられる瞬間ゆりの元に辿り着き
片手でゆりの頭を押さえるとそのまま自分の元に引き寄せ
もう片方の腕でゆりを抱きしめた。
ゆりに当てられるはずだったのペンライトは憲吾の後頭部に当たり
憲吾の頭には鈍い痛みが走った。
ゆりは声をあげる憲吾を見上げ憲吾の名前を呼んだ。
憲吾はゆりに視線を向け2人の視線は最初の時と同じように交わった……。
「っゆり……大丈夫か?
怪我、してないか?」
『っ憲吾……なんで来たの……私、散々憲吾傷つけて……』
優しい表情でゆりを見る憲吾、ゆりはただ涙を流しながら
憲吾を見ることしかできなかった……。
「っんなの、当たり前だろ……
お前が危ないって分かってて、黙って見過ごせるかよ。
もうゆりが傷つくとこなんて見たくないんだ……
何もできないまま待つなんて俺には無理だ……。」
『っ……』
「っテメェいきなり…っ!?…っテメェ!!(睨)」
「『っ!?』」
ペンライトを投げつけた男は突然乱入してきた憲吾に驚きを隠せなかったが
男が憲吾の顔を確認すると再び感情を露わにし2人を見下ろしていた……。