第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
ゆりに罵声を浴びせ続ける男達、
投げつけられる物はその男達がいる方向だけでなく他の場所からも飛んできた。
罵声を浴びせてきている男達はゆりから見て右側、
新たに飛んできたのは反対の花道側である左側だった。
反対にも顔を向けてみるゆり、
そこにも同じような男が2人前列席にいた……。
『っ……』
(何なのこの人たち……もしかしてこの6人は同じ団体か何か?
チケットは4枚までしか取れないから……)
「散々男遊びしておいて今度はファン全員が恋人だぁ?
舐めてんのかテメェ!!」
_ビクッ!『っ私は……』
(私はそんなつもり……)
男に向けられた感情に体をビクつかせるゆり、あまりの恐怖に
涙が溢れ出しそうになった。
男らの周りにいるファンたちも戸惑いと恐怖を隠せない様子で
完全に萎縮していた……。
「なぁなぁ!ファン全員が恋人って言うなら俺ゆりぴーの彼氏なんだよねー?
この後ホテルに行っちゃったりするー?笑
ゆりぴーのテクニックも凄そうだしw」
『っ何言って……』
男の下品な言葉に思わず嫌悪感を表情に出すゆり、
だが隣にいた別の男はこう言葉を口にした。
「見た今の顔!?見ました皆さん!!
ゆりぴーの嫌そうな顔!
ファンみんな恋人っていう筋通ってないよねー?
これくらいのことで嫌そうな顔してさ笑」
『っ……』
(これくらいの事……?
そんな、誰だっていきなりあんなこと言われたら……)
そしてこの男はあろうものがゆりがいるステージへ
上ろうとしてるではないか……
スタッフはすぐ男を止めようとしたが
男は容赦無くスタッフの顔面目掛け殴りつけた。
「っいい加減にs「っるっせぇな!!!」_ガッ!
「「きゃああああ!!!」」
あまり突然のことに周りは悲鳴をあげた。
スタッフはそのまま倒れ込み男はステージへ乗り上げてきた。
『っ…ゃ……っ!』
立ち上がれないまま後退りをするゆり、
だがその先には最初の4人組が前列にいる。
恐怖で思うように動けないゆり、
乗り上げてきた男はゆりに顔を近づけてきた……。
『っ……ぃや!』_パチンッ!
「っ!」