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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編


「っ憲吾……」


憲吾を椅子に座らせ自身も椅子に座る吾郎、憲吾はただ顔を俯かせたまま
声を上げることもなくただ泣いていた……。


「っ……」
(ゆり……なんでだよ……なんで……)

「っ……」
(ゆりちゃん、ただアイドルを続ける為に憲吾を捨てるってことなのか?
そんなの、嘘だよな……ただ炎上を収める為に嘘言ってんだろ?
でもだからって、あんまりだぜ……憲吾が居る目の前でこんな……)


吾郎も涙を流した。
とてもじゃないがライブを楽しむという気持ちにはもうなれそうになかった。
ただ親友の痛々しい姿を見ることしかできない……。

そしてライブは再開、いやここからが本当のスタートと言うべきなのか。
ゆりの本心はゆりにしか分からない。
メンバーにも、親にも、家族にも、マネージャーにも、スタッフにも、
誰にも理解することはできない。
ゆりにしか、分かり得ないことだった……。


ロイヤルボックス席側で会場を見ていた翔たち、
翔たちもゆりの謝罪のところは予想外のことで
圭吾に至っては涙を流していた。


「っ……憲吾……っこんなの、あんまりだ……」
(目の前のゆりちゃんにあんな……)

「っ葛木さん……」

「……。」

「……櫻井さん、一体ゆりちゃんは何を思ってあんなことを……
ただ炎上を収める為だけに強い口調で言ったのでしょうか……」

「それは、彼女にしか真意はわかりません。
運営側もそれを指示したとは思えませんし……」

「っ……どちらにしろ、憲吾は傷ついたじゃないですか……
保身の為に、憲吾までを突き放すようなこと……」

「っまさか……!
ゆりちゃんがそんな気持ちで言うはずないじゃないですか!
っ……もしかしてゆりちゃん、東郷に何か言われてるんじゃ……
でなきゃ、あそこまで言うなんてこと……」

「っ……」
(それでも、憲吾は傷ついた……憲吾が傷つくこと、
ゆりちゃんが一番わかってるじゃないか……
東郷がそう仕向けたって言うなら、俺はアイツが何がなんでも許せない……
あそこまで2人に、辛い思いをさせるなんて……)


涙を流しながら拳を握りしめる圭吾、
そして響に対して計り知れない怒りも溢れ出してきた……。
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