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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編


『私が「Miss You」を歌ったのは、
想いを伝えたいと思った人が居たから……それは事実です。』


「っ…ゆり……」

「っ憲吾……」
(ゆりちゃん、一体どう言うつもりで……
俺たちがいることもわかっててこんな……)


小さく涙を浮かべる憲吾をただ見ることしかできない吾郎、
吾郎はなぜここで曲のことまで言う必要があるのか……
全く理解できなかった……。
そして再びゆりに視線を戻しゆりが今から何を言うのか
耳を澄ませた……。


『……ですが、今の私にその想いを伝えたいという人はいません。
もし私がまたこの曲を歌うとすれば、
それはまた好きな人ができた時でしょう……ですが、』


「っ……」


憲吾はずっとゆりを見ていたが顔を俯かせてしまった。
最後までちゃんと聞くつもりでいたがこれ以上ゆりの口から
何も聞きたくないとすら思ってしまったのだ……。



『この先私は、誰も好きになることはないでしょう。
なので……「Miss You」はA.N.JELLの桂木廉さんにお返しします。
私に、この曲を背負う資格はありません。
もっとこの曲を歌うのに素晴らしい人は他にもいるはずですから……。』



「っゆり……お前……!」
(俺がどんな思いで、その曲お前に渡したと思ってんだよッ!)

「っゆりちゃん……
何でそこまで追い詰める必要があるんだ……」
(それに廉もまた飛び出しそうな勢いだ……ゆりちゃん、
Miss Youであんなに沢山の人を感動させたのに……
なんでそれを捨てる必要があるんだ……。
君がそこまで代償を払う意味はないはずなのに……)


『私、今回の一件で思ったんです。
私がアイドルで、Dolceでいる以上私にとって一番大切なのは
ここにいるファンの皆さんです!
私を応援してくれるファンが、私にとって一番の恋人なんです。
私は……ファンの方々がどれだけ偉大で素晴らしいものか痛感しました。

私が私でいられるのは、
これまで私を応援してくれたファンの皆さんのおかげです!
だから私はずっと……アイドルでいるつもりです!!」



「っ……」_グッ…

「っ憲吾……」


俯かせながら拳を握りしめる憲吾、そして流れる涙……
吾郎は憲吾の肩を持って自身と共に椅子に座らせた。
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