第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
一方で裏方でゆりたちを見守っている涼介たち、
チーフマネージャーである涼介は会場全体の様子を
パソコン上のモニターで確認している。
もちろん自己紹介ソングでゆりパートになった瞬間の様子は
信じられないものであり涼介をはじめ
キラたちアンドロイドやスタッフたちも驚きを隠せなかった。
「っ!
何だこれは……まるでゆりちゃんだけは認めないみたいな雰囲気……」
『っゆり……』
(ステージ脇のここからでも、よくわかる……ゆりたちには
より一層この光景が見えてしまっている……ゆり、大丈夫かしら……)
『っ……』
(ゆりちゃん……)
ユウを抱きしめながらライブの様子を見ていたキラ、
2人もゆりのことを案じ複雑な感情を抱きながら
ゆりがいるセンターステージを見ていた……。
その頃樹も涼介やキラたちとは離れた場所からライブの様子を見ており……
「あーりゃりゃ、やっぱりこうなっちゃうのねぇ……」
(響さんは、この状況をどう見てんだか……少なくとも、
自分のせいでっては思ってなさそうだけど……
もしかしたらこれ、とんでもないこと起きちゃったりして……オレやっぱり
監視スタッフの方に化けよ、めめとこーじの目が届いてないうちに……)
樹は2人の目を掻い潜り一旦この場を後にした。
ちなみに目黒と向井はライブの様子を見つつも響がいる席の方を気にしていた。
「この感じ、東郷さんのシナリオ通り動いてるんちゃう?
明らかにゆりちゃんだけ孤立してる感じするし。」
「そうだな……それにしても、東郷様の隣にいる男アイツに似てないか?」
「アイツって?」
「荒木剛太だ。藤ヶ谷ゆりのクラス担任で今は謹慎くらってる……」
「……あぁ、言われれば確かに……けど、
身バレしてて謹慎くらってるのにこんなとこ普通来ないでしょ。」
2人が話していると2人の後ろからとある人物の声が聞こえてきた。
「おいお前ら、こんなところで突っ立って何してんだ?」
「「っ!?」」
いきなり声を掛けられ勢いよく振り向く目黒と向井、
そこには180cmは背がある筋肉質な男と190cmはありそうな
スラッとした男が立っていた。
それはゆりの専属SPである岩本照とラウールだった……。