第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
ゆりのパートを見守る太輔と百合、
だがゆりパートになる直前に異変はすぐ感じた。
「っ!
みんな……ペンライトの色を変えてない……?」
(それに座り込む人まで……っこんなの、今まで……)
『っ……』
(何これ……まるでボイコットじゃない……
ゆりの時だけそんなあからさまに……)
異例の光景に胸を痛める太輔と百合、それは2人だけでなく
関係者席全員が心を痛めていた……。
「っんだよこれ……ふざけんなよ……」
(まだゆりちゃんを批判的に捉えてる人がこんなに多いなんて……)
ペンライトとうちわを持った手を握りしめるタイスケ、
なぜファンなのにゆりを理解してないのだと怒りも募ってきた……。
「っマジかよ……ここまで形になるなんて……」
(ゆりちゃん、大丈夫かな……精神的に辛いと思うのに……)
「っ……」
(出版社やテレビ局を押さえられても、
やはりファンの心までは簡単ではないということか……
当たり前とはいえ、ここまで深刻だとは
これまでのゆりちゃんからは考えられない状況だ……)
宙と北斗も固唾を飲み込んでゆりを見ていた。
一方で後ろの座席で見ていた剛太と響は……
「っゆり……」
(ここら一帯、座り込む人が多い……
さっきまでみんな立って盛り上がってたのに……)
後ろの座席は会場全体の様子がアリーナ席よりわかりやすい。
剛太の目にははっきりとそれが見えていた為その光景に強く胸を痛めた。
ゆりの事情を知ってれば尚更でありそのきっかけを作ったのが
響たち銀狼なのであればそこに怒りが湧いてきた。
一方で響は特に座ることもなかったがただゆりをじっと見ていた。
「……。」
(さぁ、お前はどうするゆり……
お前の味方は、確実に減っているとあの日言ったはずだ。
それがこうして目にわかる結果となっている……ゆり、)
_お前はこの状況を、
どうひっくり返してみせんだ?
_このオレに、証明してみろよ……ゆり。