第23章 ☆憲吾ルート☆　Happy END後編

チラホラと座り始めるファンたち、そしてペンライトもピンクにせず
自身の推しカラーにしその光景は
ゆりたちメンバーにもよく見えていた……。


『っ……』

『『っ……』』


一瞬表情を曇らせるゆりと頑張って顔に出さないようにする来海たち、
そしてゆりたちは何も気にしないふりで歌唱。
歌詞パートは他メンバーが歌うことになっており
本人はその後ダンスパフォーマンスをし
最後の「○○のな・ま・えは？」を歌唱して最後はファンが
メンバーのあだ名を呼ぶというものである。
他のメンバーはより一層盛り上げる気持ちで歌詞を歌った。


『『ゆりぴー！ゆりぴー！』』

『無限の顔持つ　演技派アイドル！』

『何でも　そつなくこなしちゃうよ！
つまり器用？天才？』

『『まさに神の子　ガチ恋　製造機！』』

『っ！』
（私は負けない……どんな逆境にも！
これまでの努力は裏切らない、私は……！
Dolceの絶対エースで、不動のセンターなんだからッ！！）


先ほどよりも力強いダンスを見せるゆり、
ゆりはこの世界に入った当初はずば抜けて運動神経が
いいというわけではなかった。もちろん歌詞のとおり
そつなく出来るタイプではあったがそれまで以上の努力を積み重ね
来海や来夢にも引けを取らないほどの実力を身につけた。
それを見せつけるかのようにキレのあるダンスと
アクロバティックさを表現するゆり、憲吾をはじめ会場内も
裏方もその力強さに圧倒されていた。
ペンライトの色は少しずつピンクに変え始めるファンも出始めたが
座り込んだファンはまだ立つ気配はなかった。
しかし少しずつ状況は変わっているとゆりたちは希望を見出した。

関係者席にいる太輔たちも息を呑んでゆりのパートを見守っており……











『アタシは今年ピッカピッカの高校1年生だわッ！！』＿ﾋﾞｼｯ！


「ははははっ！笑
うちの娘面白すぎでしょ笑」


娘のパートに笑いこけてる宏光、
宏光は来海のうちわとペンライトを持って娘たちを見守っている。
太輔は片手に百合を抱いているためペンライトのみ持って見守っていた。


「次はゆりか……」
（この感じの雰囲気なら、最後まで大丈夫そうだな……）