第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
ちなみに響の両サイドはまだ空いており響は通路から2番目のところにいる。
しばらく座っていると通路側、一番端の席であろう男がやってきた。
「えっと……俺の席はここか……」
「……っ!」
(コイツ……)
横目でその男を見る響、その男は伊達メガネを掛けていたが
響が知ってる人物であり少し目を開いた。
その男の正体は……
「へぇ……会場って見渡すとこんな感じなんだ……
楽しみだな、ゆりたちのステージ……」
「っ……」
(この野郎、確かゆりの……)
響の視線の先に映るのはゆりのクラス担任である剛太の姿だった。
響はなぜたかが担任である剛太、ましてや謹慎処分されている剛太が
ここにいるのか不思議でならなかった……。
そして響の視線に気づいたのか剛太がこちらに振り向いてきた。
「ぁ、どうも……お兄さんも一人で来たんですか?」
「っ……まぁ……」
(他人に気安く話しかけんなよ……)
イマイチ居心地が悪い響は視線を正面に戻した。
「結構ひとりできてる人も多くてびっくりですよ。
僕初めてライブに来たものですからちょっと緊張してて(苦笑)
お兄さんは結構慣れてるんですか?」
「……オレも初めてだ、部下が行けなくなったからその代わりだ……」
「へぇ……そうなんですか!」
「っ……」
(コイツ、何なんだよ……)
とりあえず剛太の質問には答える響、よりによって剛太と隣の席なのかと
ジュリを地味に恨む響であった。←
一方で後からやってきた剛太、剛太は隣に座る響に微妙な違和感を感じていた。
剛太side
無事入場ができた剛太は案内板に従い自分の席に向かっていた。
「ほんと一般席って後ろの後ろなんだな……
でも後ろも全体が見えて凄くいいなっ」
小さく独り言を呟きながら歩く剛太、しばらく歩いていると
自分の席と思われるところが見えてきた。
だがその近くには茶髪の長身の男がおり剛太は不思議な違和感を感じた。
「あ、あの辺だな俺の席……っ!
あの長身の男、何だろ……」
(何だろ、独特のオーラがあって少し異質だ……
それにどこかで見たこともないような……)
剛太は少し警戒しながら自分の席に向かった……。