第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
和真が徹平にイラついている頃
見事アリーナ席を確保した徹平と団司はというと……
「志村、お前わざわざ九条に送ったのかよ……」
「だってドヤりたいじゃん笑
ちなみに陸たちはスタンドの前列だってよ!」
アリーナ席に座って待機していた。
「ったく……今頃九条の奴、お前に怒ってるところだろうな……」
「席離れてるし気にしなーい笑
……それにしても、ゆりちゃん大丈夫かな……」
「あぁ、炎上もまだ収まってないし事が
無事進んでくれればいいんだが……」
「噂じゃ、ゆりちゃんやばい組織に目つけられてて
本もソイツらが仕組んだんじゃないかって流れてくるくらいだもんな……」
「そうだな……現に会場の警備も通常より厳重だ。
上の方で警戒してるのは間違いねぇだろ……ま、
俺らは今回日番なわけだし下手に行動はできねぇけどな……」
「……。」
「だから志村、もし何かトラブルあっても飛び込むなよ?
今回ばかりは彼女の時と規模が違い過ぎる……」
団司はかつて百合が柊と熱愛記事が出た頃のことを思い出しながら話した。
それは百合がドラマの撮影中に
柊のファンから誹謗中傷されてた時の出来事だった。
「けど、もしゆりちゃんに危険が生じたら俺我慢できないかも……」
「俺らももう餓鬼じゃねぇんだ……その役割は別の奴の役目だ……」
「っそうだけどよ……」
「それに、俺らはまだ自宅待機中の先生たちのサポートがあんだぞ?
余計なことして、俺らまで身バレしたらどうすんだよ……」
「っ……」
「とにかく、俺らは何も起こらないことを祈って
ライブを見ることしかできねぇよ……」
「っ……わかった……」
渋々そうに返事をする徹平は頬を少し膨らませながら視線を正面に戻した。
そして開演まで少しずつ時間は進んでいき響も既に会場入りをしていた。
当初は目黒と向井に止められたが特に聞く耳は持たず
以前ゆりと宙のデートにお邪魔した時と同じ格好で入場していた。
「……。」
(ここでアイツのステージ……どんなもんか、お手並み拝見といくか……)
響は会場を軽く見渡すと指定された席に向かった。
席はスタンド席で後ろから4番目の列だった。
「ここか……」
そして席に着く響は特に何をするわけでもなくただそこに座るのだった。