第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「……俺らもそろそろ行くか?
10分前だし……」
「だな!」
立ち上がった2人は入場入り口に向かった。
そして間もなくアナウンスが流れ続々と入場が始まり
入場の際は厳重な持ち物検査もされており吾郎は少し異様だと感じた。
「っ持ち物検査は毎度するけど、今回は結構厳しいな……
警備も多いような……」
「……やっぱり、警戒してるんだろうな色々と……」
憲吾は警備が厳重な理由を理解しつつも
周りには他のファンもいるため口にすることはなかった。
2人も荷物検査を終えチケットを発券した。
少し進んだ先で自分達の席をチェックするがその場所は……
「えっと、俺らの席は……ん?うぉおおおお!?」
_ビクッ!「っんだよ……!急に大声出して……」
「っだってだってアリーナ席だぞこれ!?
っこれ結構いい場所なんじゃ……」
目を大きく見開く吾郎、憲吾は思わず体をビクッとさせたが
どうやらかなりの良席に当たっているようだった。
「……。」
(俺にはまだよくわからねぇけど
吾郎がここまで喜ぶってことはそんなにいい席なのか……?)
ちょっと不思議そうに吾郎を見る憲吾、落ち着きを取り戻した吾郎と共に
アリーナ席へ向かう2人、案内板などを頼りに自分達の席に向かい
無事指定された席にたどり着くことが出来た。
そして吾郎はまたもや興奮を抑えきれない様子だった。
「っちょおいおいおい、マジで良席過ぎんだろこれ……
メインステージ側で前から3番目とか!!
MCとか双眼鏡なしでいけんじゃん……」
「双眼鏡?
お前、そんなもんまで持ってんのかよ……」
「そりゃあ俺にとっちゃ必需品よ!
離れた席だとあまり顔見えないからその時に使ったりすんだよ。」
「ふーん……」
興奮しているのは吾郎だけでなく周りのファンも
神席に当たったことを喜んでいる様子が捉えられた。
憲吾は間近でゆりに会えることを楽しみにしつつも
不安も同時に訪れてきた……。
そして無事席に辿り着いた頃、他の人たちも続々と入場したり
関係者席や特別席などゆりたちと数多く関わりのある人物たちが
集まってきていた……。