第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
勇吾は憲吾に十分注意を促すと2人を降ろした。
「勇吾さんありがとうございます!
帰りもよろしくお願いします!」
「あぁ。んじゃ、楽しんでこいよ。」
そして2人は勇吾を見送ると会場へ足を進めた。
「人だかり、もう凄いな……」
「そりゃあキャパも最大だしなぁ……グッズも午前中からやってるし
ぬい売れちゃってるかなー……」
「会場付き次第向かうか?」
「そうだな、時間的に丁度いいし……」
辺りは大勢のファンたちで溢れており記念撮影をしている人たちもたくさんいた。
そして物販スペースにやってきた2人はスタッフに整理券の画面を見せ列に並んだ。
「えぇっと、売り切れ情報は……お!幸いにもまだ全部残ってる!
俺らの順番来るまでにはなんとかありそうだな!」
「……。」
(なんだろ……気のせいかもしれないけど
ゆりのファンっぽい人あまりいないような……)
あたりを見渡す憲吾、以前夏のライブに参加した際は見るところあちらこちらに
熱狂的なゆりファンやゆりが推しだろうと思われるファンが
いた印象を受けていた憲吾、それが今日はどうだろうか。
自分からゆりファンだと示しているファンはあまり見当たらなかった。
「憲吾、どうしたんだよ辺り見渡して……」
「っいや、ゆりのファンってもっといるイメージあったんだけど……」
「ああ……言われればガチヲタって人あんまいねぇな……
特にメンカラの服着てる人も前に比べるとすくねぇかも……」
「っ……」
(こんなにも目に見えてわかるほど、
ゆりの影響力は多大なものなのか……)
「もしかしたら、服装とか持ち物であまり察されたくねぇのかもな。
ゆりちゃんのファンだって知られんの……。
普通にゆりちゃん応援してるファンたちは
肩身狭い思いしてる人もいるらしい。
他のメンバーのファンからもあれこれ言われてるしな……」
「……。」
今度は販売所を見てみる憲吾、
ゆりのグッズを買ってる人ももちろんいるが
他のメンバーのグッズの方が多く売れてる様子だった。
「普通だったら、ゆりちゃん個人のグッズは
早い段階でなくなるパターン多いんだけど
今回は売れ残ってる感じするかも……」
「っ……」