第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
_銀狼・本部
幸いにも目黒と向井はいなかった。
樹は見張りをしている同僚に挨拶をするといつものように響の元に向かった。
_コンコン「東郷さーん、ジュリですけど今いいっすか?」
「……入れ。」
_ガチャ「失礼しまーすっ」
「今度は何だ……」
「実はオレ、ドルチェの一般チケット取れちゃったんすよ!
ダメ元で挑戦してみたら見事取れちゃいました!」
「そんなくだらない事をわざわざ言いにきたのか?
随分暇人だな……」
「いやいや!どうせなら東郷さんにプレゼントしようかなーって思って!
お得意の変装で行けば何も問題ないじゃないですか!」
「……。」
机の上にコンビニで発券してきたチケットを置く樹、
響は特に手に取らずただチケットを見ていた。
「まぁこれ引き換え券みたいなもんで
会場で紙チケに発券してもらえるんっすよ?
FCはデジチケみたいですけど一般は紙チケみたいっすねぇ……」
「……お前は行かねぇのか、」
「そうっすねぇ……でもこのせっかくの機会ですし東郷さん使ってくださいよ。
これ一般チケなんで前の席になることなんてほぼほぼ無いんっすよ!」
「……。」
「だからこれもいい経験だと思って正式な方法で行ってみたらどうっすか?」
「……。」
響はチケットを片手に取った。
そして樹の用足しは終わったわけでお暇することにした。
「……んじゃ!オレはお暇しますわっ」
「……。」
部屋を出る樹、だが出てみれば目黒と向井が待ち構えていた。
「「……。」」
「え、何々急に!
何で待ち伏せしてんの!?」
「……お前、どういうつもりだ?」
「どういうつもりって何よめめちゃん、」
「なぜ東郷様にあのようなものを渡す……
人目につくようなことをわざわざ……」
「人目につくって……東郷さんといえば変装の名人で
これまでゆりちゃんのところにも問題なく忍び込んでたでしょ?
普通に遊園地だって行ってたわけだし……」
「俺らは普段から止めてるんやけど?
わざわざ人目につく場所に行く必要なんてないし
また前みたいにゆりちゃん捕まえればいいだけやん。」
「……それじゃ意味がない、
あの人は理解してんじゃないの?」
「「っ……」」