第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
響の元を後にした樹、下に降りればまたもや目黒と向井が樹を出迎えた。
「話は終わったんか?」
「まぁね……あとオレは帰るだけ、んじゃあねぇ……」
「「……。」」
樹は気にしない素振りで2人の間を抜けた。
2人は未だ怪訝そうに樹を見るのだった。
「……アイツ、どう思う?」
「相変わらず本質の見えない奴だ……
これは俺らも、本格的にアイツを監視する必要がありそうだな……。」
「せやな……東郷さんに、何かあってからじゃ遅いからな……」
「あぁ……」
樹に目を光らせる目黒と向井、
2人は暇な時間を利用し樹の動向を探ることにするのだった……。
一方で樹は北斗に連絡を入れようとしていたが今日の響やあの2人の様子を見て
不本意に連絡は取れないと感じていた。
「北斗に連絡……は、家着いてからだな……
オレまで監視されかねないし……」
(特にめめとこーじ、アイツらは敵意と疑惑をオレにバシバシ向けてくる……
アイツらが行動起こしてきてもおかしくねぇよな……)
樹は帰りの道中を気にしながら自宅へ足を進めていた。
そして何とか自宅へ辿り着くと北斗に連絡を取ってみた。
「……あ、もしもし北斗?
今大丈夫?」
『樹か、どうした?』
「今日さ、響さんに探り入れてみたんだよ。
あれきりゆりちゃんのところに行ってる様子ないからさ、」
『それで、東郷の様子はどうだったんだ?』
「それがさー……響さん、ゆりちゃんのこと好きって認めちゃってんのよ。
ゆりちゃんのとこに行ってないのって、
今の自分には勝ち目がないからってことも理解してるっぽい。」
『っアイツが……?
これまでの行動からは考えられない思考だな……』
「だよねー……まぁ、ゆりちゃんに言われた言葉に
大分心にくるものあったんじゃない?
さすがにそれが何なのかオレにもわからないけどさ……」
『なるほど……ますます行動が読めないな……』
「そのことなんだけどさ、」
『なんだ?』
「もしかしたら、響さん国立初日に姿現すかも。」
『っ!?何だって!?』
樹の言葉に驚きを隠せない北斗は思わず声を荒げた。