第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「っ……」
「……。」
響の姿に言葉を失くすゆり、響はサングラス越しから
ただゆりを見ていた。
「っ……何ですかこんな夜中に……事務所の次は寮ですか?
いくら余裕があるからってこんなところにまで……」
「……オレの土産がどんなものだったか、感想でも聞こうって思ってな……」
「っやっぱり……貴方達なんですね……生憎、
事務所も組織の仕業なんじゃないかって踏んでますよ……
私から口にしなくても、出雲との写真があることで
組織の仕業なんじゃないかってわかってます……」
「ふっ…だろうな……それで分からなかったらただの馬鹿だ。」
「っ……」
警戒心を持ちながら構えるゆり、ゆりは自然と体を力ませていた。
「……お前、思ったよりメンタルあんだな。
ここまでされてもまだ余裕があると取れる……」
「っ私には……私には、沢山の人たちが
味方でいてくれてる事がわかったから……そうでなきゃ、
今頃メンタルやられてます。けど今は違う……。
私の味方でいてくれる人は確実にいるって事がわかったから……
ちょっとやそっとのことじゃ、私は折れない……」
恐怖心と戦いながら響に告げるゆり、自分は一人じゃないと言うことを
何度も言い聞かせ自分を励ました。
「そうか……だが、本当の恐怖はここからだ。
お前を容赦なく誹謗中傷する奴は幾度なく現れる。
それでも……お前は耐えると言うのか?」
「っ……はい、」
声を震わせるゆり、いざそういった場面に遭遇したら
本当に耐えられるかどうか正直自信がなかったからだ……。
「はっ!
そう言う割には結構震えてるじゃねぇか……強がんなよ。」
「っ……強がるくらいの気持ちがなきゃ、この世界では生きていけない……!
私は、これを乗り越えなきゃいけない……」
(そう……これを乗り越えないと、私の……私たちの夢は叶えられない……)
「……。」
目に少しの涙を浮かべながら響に訴えるゆり、響はそんなゆりを
しばらく見つめると右手をゆりの左頬に添え指先でなぞり……
_スッ…スリ…
「……。」
「っ……_クイッ…っ!」
そのまま顎に持っていくとをクイっと持ち上げた。
「お前は……本当にオレを飽きさせないな。」
「っ……」