第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「ぅ…ぅう……」
『っゆり……大丈夫か?また泣いて……』
「っはい……すみません急に……私は、大丈夫です。
先生の声を聞いてたら、なんか落ち着いちゃって……」
『っそうか……お前が少しでもラクになれたなら、
俺も嬉しいよ……良かった……(微笑)』
「っ先生……」
(先生の声って、なぜか凄い落ち着く……
パパや憲吾とは違う温かさがあって……)
『……また、話なんでも聞くから……
また追い込まれそうになったら連絡してくれ……助けてほしいって言うなら、
何が何でもお前のこと助けに行くから。絶対にな……。』
「っ……」
真っ直ぐな言葉をただゆりにぶつけてくる剛太、
ゆりは不覚にも胸が高鳴った。
『俺、前にも言ったかもしれないけどゆりのこと……
他の誰より大切だって想ってるから……他の生徒より、
お前を第一に考えたいって思えるくらい俺は……』
「っ……なん、ですかそれ……」
(まるで先生まで……)
『っ悪い、急にこんなこと……けど、
俺は何が何でもゆりの味方だから……それだけはわかってほしい。』
「っ……はい……」
『俺から、言えることは今はこれくらいかな……他に何か、
言っておきたいことはあるか?』
「っいえ……先生の声聞けて、安心しました……あの、
またもし組織のことがわかったら先生に連絡入れて大丈夫ですか?」
『あぁ、大丈夫だ。
何かあったらすぐ連絡してくれ。
俺も当分は外出もあまりできないからな……大体うちにいるから大丈夫だ。』
「ありがとうございます。
それじゃ、一旦切りますね?
そろそろご飯もできる頃だと思うので……」
『わかった。俺の方こそ、ありがとな。
……またな?』
「はい、また……」
こうして2人はお互いに電話を切った。
ゆりはスマホを下ろすとスマホを持っていない左手を胸に当てた。
「っ先生……あんなにも私のこと想ってくれている……
心の蟠りが抜けていくみたい……私は、一人じゃない……」
(先生が、はっきりと教えてくれた……私には、みんながいる……
きっとファンの中には納得してくれない人もいるかもしれない。
けど、それでもこんな私を応援してくれるファンがいるなら私は……)
その人たちだけへも精一杯の想いを伝えたい……。