第8章 ☆Story26☆ いざ韓国へ!
「……そうだな、
お前、練習いかなくていいのかよ……
俺は大丈夫だ、適当に安静にしとく。」
「まだ目覚ましたばっかだし、親友の身としては心配なんだよなぁ……
誰もいないとこ見計らってお前練習しそうだし!」
「さすがの俺もそこまでしねぇよ……
自分の体のことは自分でわかってるつもりだし……
本当に安静にしてるつもりだし、お前はもう余計な心配すんな……
心配かけて、悪かった……」
「……わかったよ。
お前のその様子見てると、案外いつも通りだし……もう少ししたら行くよ。
神部先生にも、まだちゃんと事情も話してないからな……あ、」
「……?」
「すっかり忘れてたけど昨日美澤社長が来たんだよ。
それで、なんか昨日の試合の代わりを用意するみたいな話されてよ……」
「なんで……」
「さぁな……まだ交渉中みたいだからなんとも言えないけど……」
「……。」
「多分、のちに連絡来ると思うから考えておけよ?」
「……わかった。」
こうして吾郎は少し休んだ後病室を後にした。
そして病室にひとりの憲吾は
吾郎が持って来てくれていた雑誌と音楽プレーヤーを手に取った。
「……圭吾には、もう少し落ち着いたら連絡してみるか……」
憲吾はイヤホンを耳につけ音楽を再生させながら
ボクシング関連の雑誌を読みはじめた。ちなみにかけている音楽は
憲吾が初めてドルチェの楽曲の中で好きになった『never give up』
ゆりが作詞した楽曲で応援ソングの定番となっている。
憲吾がしばらく雑誌と音楽に夢中になっていると……
_プルルルル…
「……?」
テーブルに置いてあるスマホに着信が入って来た。
憲吾は音楽を止め雑誌を一旦置きスマホの画面に目を向ける。
「……今度は勇吾かよ……」
どうやら着信主は勇吾という人物らしい。
「……後から面倒くさいけど、後ででいいか。」←
憲吾は着信を無視し音楽を再び再生し雑誌の続きを読み始める。
「雑誌見てからでも遅くはねぇだろうし、邪魔されるのも嫌だし……」
ちなみに憲吾が今聴いているのはゆりのソロ曲『Miss You』
こうして憲吾は雑誌を読み終えるまで音楽を聴き続けるのだった。