第8章 ☆Story26☆ いざ韓国へ!
「……よかった……」
「っ……憲吾?」
「ゆりが、無事で……」
か細い声で画面に映るゆりを見ながら呟く憲吾。
「……だな(微笑)
俺も思ったよりもいつもどおりのゆりちゃんでよかったよ。」
「……無理、してないといいが……」
「そんな心配すんなって!
あの感じだと、大丈夫そうじゃねぇか?自然体って感じするし、」
「……。」
「どこまでもゆりちゃんが心配なんだなお前は笑」
「っ……る、せぇ……」
「その様子だと、お前の回復も時間の問題だな笑
……あ、そういや憲吾……昨日の夜、お前に電話きてたぞ?」
「ぇ……」
憲吾は少し目を大きく開いた。
「……けどゆりちゃんではない笑」
「っ……わかってる……」
「……お前、絶対ゆりちゃんからかもって思ったろ……」
「……。」
憲吾は吾郎の問いにそっと目線を逸らした。
「ぷっ……笑」
(絶対図星だわw)←
「っなに……笑ってんだよ……」
「別に笑
ちなみに、電話の相手は圭吾さんだぜ?」
「圭吾……?
なぜあいつが……」
「さぁな……ぁ、あれじゃね?
圭吾さんと勇吾さんって仕事が休みの時とかは試合見にきてくれてるだろ?
もしかして、昨日の試合見にきてくれてたんじゃねぇか?
それで昨日は俺らは棄権したから、心配して連絡してきたとか……」
「……。」
「ま、連絡は体がもう少し回復したらしろよ。」
「……あぁ、そうだな……」
「……圭吾さんって、ホントお前を弟みたいに心配してくれてるよな。
勇吾さんも、それは同じだけどよ。」
「……。」
「……お前、いっそ引き取ってもらえればよかったじゃん。
あの2人もその親もいいって言ってくれてたのによ……」
「……どんなに優しくしてくれても、結局は他人だ。
むしろ、俺は1人のほうがいい。1人のほうが気が楽だしな……」
「……義理の家族だと身の狭い思いするからってか?
……ま、お前の性格上あたり前といえば当たり前か……」
「……。」
(今でも、家に来ないかって言ってくるしな……)
憲吾はテレビの画面を見ながら圭吾と勇吾という人物を思い出していた。