第8章 ☆Story26☆ いざ韓国へ!
テレビに映し出されるゆり達は
にこやかな表情で搭乗口に向かっていた。
『……あ!ゆりったら叶輔抱っこしてる笑』
「……よくこんな大勢の人前に持ち出すことできたな汗←
俺は絶対無理だわ……知り合いだけで十分だよ……」
『笑笑
ゆり、きっと太輔に似て押しに弱いだろうね笑』
「……かもな(苦笑)」
吾郎side
今日はゆりちゃん達が出発する日、
俺らは学生ってことで土日は休み。俺は憲吾が意識を
取り戻しているんじゃないかと思い、朝一で病室に訪れた。
だが、憲吾に意識を取り戻した様子はない。
「憲吾……まだ起きねぇのかよ……
ゆりちゃん、あと少しで出発しちまうのに……」
「……。」
「……_チラ」
吾郎はふと病室に設置されているテレビに目を向けた。
「そういや4チャンで生中継入るんだよな……ちょっとかけてみっか。」
(そしたら憲吾、案外目を覚ましたり……)
吾郎はちょっと期待しながらテレビをつけた。
「お、ビンゴ!
ちょうど4チャンだ、しかもこれから生中継入るっぽいし……」
吾郎はテレビに目を向けつつ憲吾を見た。
「……憲吾、もう少しでゆりちゃん行っちまうぞ?
しばらくの間、会えねぇんだからよ……」
「……っ」_ピクッ…
「っ!」
憲吾は微かではあるが腕をピクッと動かした。
「っ憲吾……!」
「っ……」
思わず呼びかける吾郎、
それに応えるように憲吾はうっすらと目を開けた。
「っ憲吾!
お前やっと意識取り戻したのか!?」
「っ……ご、ろ……」
「っまだ無理に喋ろうとすんな……!
……でも、よかったぜ……お前が目を覚ましてくれて……」
「……。」
「……ほら、ゆりちゃん達もう向こうに出発するんだ。」
吾郎は憲吾にテレビが見えるよう体をずらした。
「……。」
憲吾はまだ視界がぼやけていたが画面の方に目を向けた。
「……ちょっと、寂しくなるな……」
「……よかった……」
「っ……憲吾?」