第2章 ☆Story20☆ 新しい担任の先生登場!!
「えーとゆりは……
やっぱり学校にいないことが多いみたいだけど、
勉強とかは大丈夫なのか?」
「まぁ……
仕事先の楽屋でも勉強はしてるので、最低限の知識は一応……」
「そかそか!
まぁゆり、定期テストの成績も
学校一忙しいとは思えないくらいの好成績だもんな……
あ!ゆりのお父さんの資料もここにあんだけど、
ゆりのお父さんも学校の先生なんだな!」
「ぁ、はい……今は七華高校で先生をしてます。
そこに獅依留の叔父にあたる人とか、父の昔馴染みの人がいます。」
「なんかすげぇ……お父さんはどんな人?」
「えっと……なんて言えばいいんですかね……
父は母がいない私を大事に育ててくれました。
優しいけど、時には厳しく怒ったりとか……
私にとって、唯一無二の存在だと思います。だって、
私のパパはパパしかいないから……」
「ゆり……」
「……父は、14年前に最愛の人だった母を亡くして……
色々不安だったはずなのに私をすごく大切にしてくれ……って……
芸能界だって、私の意思を尊重してくれて私は、っここまで……」
「……。」
「っはは……私、急に何言ってるんでしょうね(苦笑)
いきなりこんな、新しく来た担任の先生n._クシャ..っ……」
剛太はゆりの頭をくしゃっと撫でた。
「……俺は嬉しいよ。
親御さんのこと、話してくれて……」
「っ……」
ゆりは剛太の言葉に涙を目に浮かべた。
「……泣きたいなら泣いちゃったらいいんじゃない?
どうせ昼休みの二者面談はゆりで終わりだし……」
「っ……そんな、いきなり泣けるわけないじゃないですか(苦笑)」
ゆりは苦笑いを浮かべながらも小さく涙を流していた。
そんなゆりを剛太は優しく頭を撫でていた。
「っ……」
(なんでだろ……すごく落ち着く……もしかして、
パパと重ね合わせてるから?
顔も似てて、同じ学校の先生だから……
普段、パパと会えないからかな……)
ゆりは憲吾とは違う温もりを剛太から感じるのだった……。