第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「どうぞ、」
「っ!?」
(っこの声……まさか……)
目の前には男と見られる手、自分より遥かに背が高い人物だと見てとれた。
そしてゆりはこの男によく身に覚えがあった。
ゆりは恐る恐る目線を上に向けた、そしてその先には……
「……。」
「っ……ひび、きさん……」
(なんでこの人がこんなとこ……この人からしたら、
敵のど真ん中に入ってくるようなものなのに……)
東郷響の姿があった。
その姿は普段のサングラススタイルではなく以前宙と出かけた際と同じように
変装をしており髪色は栗色で帽子に伊達眼鏡をかけていた。
「ふっ……このスタイルもサマになってんだろ、」
「っな、なんで貴方がこんなところにいるんですか……」
ゆりは誰にも聞こえないようコソッと話した。
「てかどうやって忍び込んだんですか……!?」
(声かけられるまで全然わからなかったんだけど……汗)
「さぁな、」
「さぁなって……汗」
「おい、水分補給すんじゃねぇのか?」
「っ……します、けど……」
とりあえずペットボトルを受け取りそれを口に運ぶゆり。
ゆりは飲みながら横目で響を見た。
「……。」
(一体、何を企んでるんだろ……ここまできて、
もしライブを台無しにされるようなこと……)
「東野!こっち来て機材運ぶの手伝ってくれ!」
「はい、今行きます。
……んじゃ、な……」
「っ……」
(偽名使ってまで、一体何を……)
どうやら響は東野という偽名を使いこの場に馴染んでいるようだった。
名前を呼ばれ、響はこの場を去って行った。
ゆりは不信感でいっぱいになりながらも給水を取ると
10分程度の休息をとるのだった。
そして10分の休息を終えるとゆりたちは再びレッスンに入った。
響は遠目でそれを見ながらゆりたちを観察していた……。
そして刻々と時間は過ぎていき今日のレッスンは終えようとしていた。