第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
ユウside
ゆりちゃんが戻ってきた、本当によかった。
無事に戻ってきて……この場にいたキラちゃんやドルチェのみんなは
一斉にゆりちゃんの元に走っていった。
僕も行きたかった。でも他のメンバーがいる前じゃ僕は動けない。
だからメンバーがみんな帰った後に行こうと思った。
でも突然、
僕はゆりちゃんのところにいていいのかなって思った。
今日ゆりちゃんが出ていってしまったのは
僕の言葉に原因があったから……。
だから、
また僕の言葉でゆりちゃんが傷ついてしまうんじゃないかって
突然怖くなったんだ……。
だから、僕までがここに居たくないって思ってしまった。
そう思った瞬間、僕は母さんと父さんが恋しくなった。
会いたくなった……そう思った瞬間、僕はぎゅっと目を閉じた。
そしたら突然僕の身体は……
『っ……やっぱりだめだ、僕はゆりちゃんのところn…っ!?』
やっぱりゆりちゃんのところに行こうと目を開けた時には
さっきまでいた場所と違う場所に僕はいた。
でもそれは決して知らない場所ではなくて……
『っ……この、部屋って……まさか……』
(そんなはず……なんで僕がここに……)
ユウが辺りを見渡すと後ろのほうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『っ……叶輔!』
『っ!?』
(その声……)
『叶輔。』と呼ぶその名前、その声はゆりと少し似ている。
でもその声はゆりじゃない、そしてこの名前でユウのことを呼ぶのは
神様と太輔、そして……
『っ……』
『っ母…さん……』
ゆりの生みの親である百合、
自身の母親になる存在だった百合。
目の前にいる母の姿、その姿は自身と同じ色違いのテディベアだった……。
『っ叶輔、なんでここに……ここは太輔のうちだよ?
一体どうやって……』
『っ僕にも、よくわからないんだ……目をギュッて閉じてもう一度開いてみたら
父さんのうちに居て……僕、ゆりちゃんのところにいたはずなのに……』
『っ……』