第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
『え、ユウならソファーの上にいない?
ゆりが逃走したあとずっと私と一緒にいたし
メンバーもずっとここにいたから動くこともなかったと思うんだけど……』
「っ……」
だがキラの言うようにソファーの上にユウはいなかった。
『ユウ、ユウ!!
みんな帰ったから動いて大丈夫なのよ?
……なんで返事しないのよ……っまさか、ソファーにいないの?』
「っ……」_コクッ
(ユウ……どうして……)
キラの問いに頷くゆり、ゆりは顔を青ざめた。
メンバーが帰って間もなく他の場所に移動するにもあまりにも静かで
この場にいないことに違和感を覚えた。
『っまさか……!
だってメンバーだってさっき帰ったばかりでどこにも移動……
ゆりの寝室は?』
「っ見てくる……」
ゆりは駆け足で部屋に入ってみるがやはりユウの姿はなかった。
「っユウ……!
どこにいるの……っもしかして……」
(私がさっき、ユウに酷いことしちゃったからどこかに消えて……)
ユウは元々ただのテディベアでありある日を境に突然喋りだした
摩訶不思議な存在、それならば突然どこかに消えてもおかしくないとは思ったが
こんな短時間で消えてしまうものなのかと
ゆりは消失感でその場に膝をついた……。
「っユウ……ごめん……ごめんね……!
私が、ぶん投げたり酷いこと言っちゃったからどこかに消えちゃったんだよね……
私に、愛想つかせたから……」
そして涙を溢れさせなぜあの時ユウを怒鳴りつけた挙句
投げつけてしまったのかとゆりは後悔した……。
ゆりが膝をついてる中キラも部屋に入ってきた。
『っゆり……』
「っキラちゃん……私が、ユウに酷いことしたからどこかに消えちゃった……」
『っ……他の部屋も覗いてみたけどユウいなかった……
けど、あれだけの理由でゆりの元から消えるなんて考えられない……』
「っじゃあなんで……」
『っ……私にも、わからないわよ……』
「っユウにも、謝りたかったのに……なんでどこかに消えちゃうのよ……」
(神様……なんでいきなりユウを取り上げるんですか……ちゃんと、
話をさせてから元に戻してくださいよ……!)
泣き崩れるゆり、ユウは一体どこに消えてしまったのだろうか……。