第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「「っ……」」
来海の言葉に息を呑む5人、
キラはゆりから一度離れ部屋に上がるよう促した。
『ゆり、まずは部屋にあがって?
涼介さんからメールで軽く聞いたけどキスマイの藤ヶ谷のとこいたんでしょ?』
「ぅん……」
『みんな、それ分かるまで本当に心配してたのよ?
もしかしたらゆりがまた危ない奴らに捕まったんじゃないかって……』
「っ……ごめん、なさい……みんなに、心配かけて……」
『もういいわよ、ゆりがこうして無事に帰ってきたんだから……』
ゆりは今一度メンバーの顔を見渡した。
「うん、ゆりちゃんが戻ってきてくれて、
本当にホッとしてるよ……明日から、
またいつもみたいにゆりちゃんと話したいな……
練習も一緒に頑張りたいし……」
「まな……」
「ゆりが帰ってくるまで、練習のことメンバーとも相談したんだけど
せっかく涼介さんたちが新しい体制でのスケジュール組んでくれたから
前半はそれと同じようにしようって決めたの。
もちろん、せっかくお互いの気持ちを理解しあえたから
6人一緒でってことも考えたんだけど……最初のほうは、
少人数でやった方がいいってことに話が収まったの。
ゆりも、そんな感じで大丈夫かしら?」
千鶴はゆりにメンバー間で話し合った内容を話した。
ゆりはそれに頷いて返事をした。
「ぅん、それで大丈夫だよ……私、ひとりで全部やろうって思ってた……けど、
藤ヶ谷さんにそれは無理だってはっきり言われた……
完璧な藤ヶ谷ゆりにはなれないって……
それで、目が覚めたの。このままじゃダメなんだって……」
「ゆり……」
(まさかの藤ヶ谷さん……予想外過ぎるわ……)←
千鶴は思わず目をパチクリをさせた。
まさかあのタイスケが今のゆりの様子を変えたことに驚きを隠せなかったのだ。
「……私、昨日も今日も自分がなんであんなこと言ったのか
正直よくわからない……だから、
またみんなに酷いこと言っちゃうかもしれない……それでも、
私をDolceのメンバーだって認めてくれる?」
ゆりは目に少しの涙を浮かばせながらメンバーを見た、
そしてメンバーの口から出た言葉は……
「「……」」