第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「それほど、今のゆりちゃんには精神的負荷が掛かり過ぎている……
櫻井さんには、昔から恩義がありますがあまりにも進行の遅さに
社長をはじめ僕自身も痺れを切らしそうなほど……本当に、
近くで見るゆりちゃんの姿は痛々しくて……」
「っ……皆さんには、本当にご迷惑をお掛けしてますね……
僕のほうから一度謝らせてください。本当に僕たちの力不足で申し訳ありません。
ですが、今捜査が進展している事実はあります。
でもそれはゆりちゃんのおかげで……
僕たちの力不足を本当に思い知らされます。
けど、僕個人としても憲吾の為にこの事件を何としても解決したいと思っています。
その為には、まだゆりちゃんの力が必要です……」
頭を下げながら言う圭吾、『何としても解決したい。』……そんな熱意が
涼介にも伝わってきた。
「葛木さん……もし僕たちも役に立てることがあるなら言ってください。
俺たちもゆりちゃんの為に早く事件を解決してあげたい。
子供たちだけに辛い思いをさせて、
大人の俺たちが何もできないなんて嫌です。
それに、ゆりちゃんには幸せになってほしい。
赤ちゃんの時に大好きだったお母さんと永遠の別れ、
お父さんとは離れ離れで暮らして……そして、
三船憲吾くんっていう素敵な恋人ができて本当の夢も見つけて
これからだって時だったのに……
このまま終わる結末なんて俺は絶対に認めたくない。
ゆりちゃんに何言われようとゆりちゃんはあの2人の娘で、
何がなんでも守りたいって思ってる。
俺にとってもゆりちゃんは、娘みたいって思ってるから……」
「……ゆりちゃんを、
本当の娘のように思っているんですね山田さんは……」
「えぇ……俺も、お父さんであるあの人が
側にいない分の代わりのつもりで見ていますから……だから、
親代わりである俺からしたら早く解決してもらいたいって思ってます。
こんな事、葛木さんの前であまり言いたくないですけど……
それでも俺は、ゆりちゃんを第一に考えたいから……」
「山田さんの気持ち、しかと受け取りました。
櫻井総監や他のチームにも山田さんの言葉を伝えます。
僕たちは本気で戦わないといけませんから……」
「っ葛木さん……」