第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「っ……ゆりちゃん、本当にどうしちゃったんだよ……」
首を激しく横に振るゆりを見て
タイスケはどうすればいいのかわからなかった。
現在の住まいである寮に戻りたくないというゆり、
だが日は既に暮れ始めている為このまま放置する訳にも当然いかなかった。
「……寮に、帰りたくないの?」
「っ……」_コクッ…
タイスケの問いに頷くゆり、
ゆりは体で反応を示すも喋ってはくれなかった。
「……んじゃ、とりあえず俺んち来る?
行きたいとこも、ないんでしょ?」
(さすがに俺んちは断るよな……好きでもない男のうちなんて……)
ダメ元で問いかけてみるタイスケ、だがゆりは小さく頷いた。
「っ……」_コクッ…
「っ!?
ま、まままマジで!?俺半分冗談のつもりだったんだけど!?」
「……。」
予想外の反応に驚きを隠せないタイスケだがその様子にも
特に動じることもなくただ俯いているゆり。
「っ……とりあえず、車出すよ?
帰りたくなったら言えよ?」
タイスケはこのまま寮に帰すこともできなさそうなので
とりあえず自宅であるマンションに向けて車を出した。
そしてその頃GPSでゆりの行方を追っていたキラは……
『っ!?
突然大きく動き出した……この速さはもしかして車……?』
一定の場所で止まっていたゆりの居場所、キラは全員に情報を共有し
追ってるメンバーをそこに集結させようとしていた矢先の出来事だった。
キラはすぐに来海に連絡を入れた。
『っ来海!
ゆりの居場所が急に動き始めた!多分この動き方は車よ!』
『っ車!?』
『このまま私たちだけで追うのは無理よ!
ここから先は警察や事務所に任せるしかない!』
『っ……』
来海side
キラから連絡が入りゆりが車らしきもので移動始めたという情報、
来海はその場で立ち止まった。
来海の後ろについていた愛美も続くように立ち止まった。
「っ来海ちゃん?
急に立ち止まってどうしt『愛美!ゆりちゃん、車っぽい何かで
ここから遠いところに向かってるみたい!』っ車?なんで……」
『とにかく、もう愛美達の足で追うのは無理だよ……
ここから先は警察に任せないと……』
「っそんな……」