第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「……社長、やはりまずはゆりちゃんと組織の件が
解決しないことには始まりませんよ。
昨日、櫻井さんに電話してくださったんですよね?
櫻井さんはなんて……」
涼介は翔に連絡を入れたであろう瑛二に目を向けた。
「あぁ……もちろん櫻井さんにも伝えた。
組織の一件による影響ででメンバー間で亀裂が生じ
ゆりには相当な負荷が掛かっているとな……」
「っ……社長、やはりゆりちゃんは組織と接触してて……」
「……櫻井さんに他言無用でと言われたが、その通りだ。
だが俺の口からもこれ以上は言えない。
ゆりの行動については、何も言わずこれまで通りそっとしておいてくれ……」
「っ社長……!」
(社長は真実を知っているの……?でもそれを、俺たちに言えないって……)
涼介はその場から思わず立ち上がった。
「涼介、これはゆりたちを守る為なんだ……俺たちは
俺たちができることをする。これが今できる最善のことだ。
今日はその為に集まったのだろう……」
「っ……それは、そうですけど……」
(櫻井さん……貴方はどこまで俺たちに秘密を隠すつもりなんですか……
これ以上ゆりちゃんやみんなが傷つくところなんて見たくないのに……!)
涼介は悔しさから拳をギュッと握り締めた。
「……まず、メンバー間の仲を復活させる事が最優先事項だ。
個人の練習ではなく団体での練習を取り入れたほうがいいだろう……だが、
いきなり6人で顔合わせるのはリスクが高く
今以上に亀裂が生じる可能性も高い……そこでだ、」
「「っ……」」
涼介をはじめとするマネージャー達は瑛二の言葉を待った。
「まずは3人のグループに分けてのスケジュールを組む。
1つは来海と小鳥遊姉妹、もう1つはゆりたち中2組によるグループだ。」
「っなるほど……比較的衝突が少ないメンバー同士を集めたって事っすね。
来夢が主に怖いって思ったのは中2トリオのことだし
来海ちゃんに対しては3人ほどの萎縮はなかったですし……」
慎太郎はすぐにその案に納得したが涼介は少しの不安を見せた。
「確かに、この組み合わせが一番無難でしょうね……ただ、
やはりゆりちゃんの方が心配です。
ゆりちゃんが会議室を出る直前のあの様子、只事じゃなかったですし……」