第7章 ☆Story25☆ 収束
「うん、そうしてくれるとありがたいよ。
ゆりちゃん本人は大丈夫だって社長にも伝えておくよ。」
「ありがとうございます。
明日にでも、事務所のほうへ伺わせていただくつもりです。」
「……。」
涼介と海斗が話している間、ゆりは少し浮かない顔をしていた。
「ゆりちゃん、どうしたの?」
「っいえ……社長……」
「社長がどうかした?」
「……前に、憲吾と関わらないでほしいって言われたじゃないですか……
もし、こんな事件に
憲吾や班田さんが原因で巻き込まれたって知ったらまた……」
「……また、三船くんと関わるなって言われるのが怖いの?」
_コクッ「……。」
小さくうなずくゆり。
「まぁ、なくはない話だけど……そこまで気にしなくていいと思うよ?
社長も、別に三船くんを毛嫌いしている訳じゃないんだ。
ただ、ゆりちゃんは事務所にとって大事な顔だから……
大きな事件とかは起こして欲しくないってことだとは思うから……」
「でも、出発前にこんな騒動が起きちゃ、社長がまた……」
「それは俺の方からも言っておくから心配しないで?
せっかく班田の件が解決したんだから!もっと気持ちを楽にして?」
「涼介さん……」
「藤ヶ谷さんにも、
ゆりちゃんが無事だってこと伝えなきゃだし。」
「っパパも知ってるんですか?」
「うん。ここに来る前に事情を話したよ。
お父さんなんだから、娘の緊急事態を伝えるのは大事でしょ?
まぁ後で、ゆりちゃんの方からも連絡してあげな?」
「そうします……パパ、心配してますよね……」
「だね……三船くんのことも少し心配してたから、
娘のことなら尚更だね(苦笑)」
「じゃあそうします。」
「うん、そうして?
……あ、そうだ、」
「……?」
「ゆりちゃん、荷物の方はもう纏まってるんだよね?」
「はい、手荷物用とキャリーでまとめてあります。
それがどうかしました?」
「うん、
今日は空港に近いホテルに泊まったほうがいいって話があってね、」
「わかりました!他のメンバーは?」
「うん、他のメンバーたちも同じホテルに泊まるよう手配が済んでるよ。」