第7章 ☆Story25☆ 収束
「ありがとうございます。」
徹平に軽く頭を下げるゆり。
「……てか思ったんだけど……」
「はい?」
「何でゆりちゃんがこんなことに巻き込まれることになったの?
出発前日にこんな騒動起きるなんて……」
特に憲吾や海斗の事情を知らない徹平と団司、
徹平は不思議そうに首を傾げた。
「まぁ解決したことだし徹平くんはあまり深く聞かないでおいて(苦笑)
ゆりちゃんも、そのほうがいいでしょ?」
「そう、ですね……(苦笑)」
2人揃って苦笑いし、徹平はほっぺを膨らましながら
いまいち納得していないような表情をしていた。
「……ムス」←
「おめぇは昔から変わらねぇな……」
(ま、多分ゆりちゃんが直接関わった事件じゃなさそうだし……
もしゆりちゃんの親しい人物に原因があったら、
こいつ問い詰めそうな気がするし……
俺らは詳しく聞かないようにしておくか……)
「……なんか信用されてない気分!」
「無理に掘り下げなくてもいいだろ……
とりあえず、俺らも職務に戻るぞ。」
「……うぃー……」
徹平は団司に言われるがまま仕事に戻った。
「……。」
「もし徹平くんに、三船くんや財前寺くんが関わってるって知ったら
きっと問い詰めるよね(苦笑)」
(『ゆりちゃんをなに危険に晒してんじゃコラー』的な……)←
「そうですね(苦笑)」
(ママも徹平さんのそういうところに参ってたみたいなこと、
前にパパも言ってたし……)←
「……さて、ヤクザや不良たちはみんな警察に連行されたようだし……
俺たちは帰ろうか。」
「事情聴取とか、大丈夫なんですか?」
「うん、ゆりちゃんの事情は
櫻井さんはちゃんと知ってるから大丈夫だよ。
財前寺くんたちも大丈夫なはずだよ。」
「僕たちも、ですか……?」
海斗は小さく首を傾げた。
「うん。ですよね?櫻井さん、」
「はい。
皆さんは事件に関わったことは確かですがこれ以上散策は致しません。
事情は全て把握しておりますので。
ゆりちゃんたちは、
明日の出発に向けてゆっくり休んでください。」
「ありがとうございます。
では、また後日謝罪のほうをさせていただきます。」