第7章 ☆Story25☆ 収束
_ガシッ!『人の心は何ひとつ動かせない……!』
仮面ティーチャーは反対の手で班田の拳を掴んだ。
「っ……クソがぁぁぁ!!!」_ゴゴゴゴゴ!!
班田は覇気を拳に集中させた。
『っ……は!』
「っ……!」
仮面ティーチャーは一旦両手を離し、
班田の頭上を高く舞い上がり後ろに着地した。
「逃げてんじゃねぇ!!!」
再び班田は仮面ティーチャーに向かい攻撃を仕掛けるが、
その攻撃は全て弾き返されてしまった。
「っ……なぜてめぇは攻撃してこない!!!」
『大切なものを、傷つけたくないからだ。』
「あぁ!?」
『生徒は、俺にとって何より大切なものだ!
何があっても、生徒は絶対に守り抜く……!!』
仮面ティーチャーは攻撃を交わしながら班田に言い聞かせた。
「っ…黙れぇぇぇ!!」
班田はありったけの力を右拳に集中させ
仮面ティーチャーの仮面向かって殴りかかる。
『もう無駄な争いはやめるんだ!』_ガシッ…!
「くっ!!」
仮面ティーチャーは左手で班田の拳を掴み攻撃を止めた。
班田が止まった隙を見て仮面ティーチャーは班田の中に入り込み
両手で胸ぐらを掴み……
『お前は、顎以外には痛覚はないらしいな……悪いが、
お前の悪足掻きはこれまでだ……は!』
「っ!?」
_ダーーンッ!
仮面ティーチャーはそのまま
班田を背負い投げをするように地面に叩きつけた。
「……。」
特に痛みを感じる様子もなく班田はただ寝そべるそうに倒れた。
『三船は、ゆりや自分の夢を守るために力を使った……
お前も、何か守りたいものの為に力を使え……。』
「……はっ
不良の俺に、何言ってんだてめぇは……
更生するつもりも更生させられるつもりもねぇ……」
『三船も、変われたんだ。
三船も変われたんだから、お前だって絶対に変われる……
その想いがあるなら……』
「……。」
「っ班田さん……」
「金狼……」
金狼は班田から少し距離を取ったところに立っていた。
「っ班田さんは、俺にとって、ただひとりのボスです……
俺は、どこまでも班田さんについていきます……。」
「……。」
「っ空太……」