第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー
「あぁ、俺はお前が居ればもう何も要らない。
表の世界に戻れなくてもな……」
憲吾……今でもそんな風に思ってくれてるんだね。
しかも、元の世界に戻れなくてもいいだなんて……
「生きるのも死ぬのも、お前と一緒だ……。
もう二度と、お前を離すつもりはない。」
ははっ……生きるも死ぬも一緒か……普通に考えたら重いけど、
今の私たちにならピッタリかもね……。
なら、憲吾は私が今から言うこと……受け入れてくれるかな……
「じゃあ、
『一緒に死んでくれる?』って言ったら……一緒に死んでくれる?」
「……あぁ。」
私から出た、『一緒に死んで』と言う言葉……
憲吾以外の人たちは凄く驚いた様子で私のほうを見てきた。
そりゃそうだよね……さすがの宙さんも少し驚いているけど
なんとなく察してたからか他の人たちほど驚いてなさそう……
憲吾は私がいきなり『一緒に死んで』なんて言ったのに少しも
驚いた顔なんてしてないし頭も撫でてくれてむしろ嬉しそう(苦笑)
ほんと憲吾って私のこと好きなんだね、呆れちゃうほど……
でも私は、
そんな真っ直ぐな気持ちを向けてくれる憲吾が好きだった……。
きっと私が生きる道を選んだら憲吾もきっとついてくるんだろうな……
けど……私に生きていく場所なんてもうない。
それは憲吾も同じ……もう今までの道に戻れなくなってしまった。
「響さんが死んだ以上、私がここに居る理由も失くなっちゃった……
憲吾と同じように、私にも戻る場所もない……」
「そうだな……今アイツらのとこに戻っても、
飼い殺しにされるだけだ……今更、死んだ事になってるゆりを
父親に会わすわけにもいかねぇだろうしな……」
「うん、そうだね……」
憲吾の言うとおり、生きる道を選んでも……
『憲吾…好き……大好きだよ……』
『俺も好きだ……ゆり、』
あの頃の私たちには戻れない。
今私が保護されれば誰かに引き取られ別人として暮らすか
最悪、児童養護施設とかに入れられる……。
憲吾もきっと班田さんと同じ場所に連れて行かれて……
殺人を犯したわけだから出所までかなり掛かるかもしれない。
そうなったら私たちも簡単に会えなくなる……。
響さんも居ない以上、私が生きていく理由もない……。