第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー
「私は、本当に貴方のことが好きだったのにッ!!」
響さん……貴方は最初、私に酷いことをしたと思うよ……
無理矢理私と憲吾を引き離すようなことを沢山して……
でもそれでも、私は貴方に惹かれていたのに……好きだったのにッ!!
「ゆり……」
「っやっと……やっと貴方のことを本当に好きになれたのにこんな……
こんな終わり方なんてないよッ!!」_ギュッ!
ゆりは響を抱きしめた。
涙はどんどん溢れ響の顔を伝っていた……。
こんな終わり方、ないよ……
全てを捨てて、貴方を受け入れることができたのに……
「……。」
ゆりが泣き崩れる中、
憲吾は銃を下ろしたまま2人を見下ろしていた。
そんな中再び樹が憲吾の元に歩み寄り悪魔の声を囁いた……。
「さぁて、この後はどうする憲ちゃん?
多分ゆりちゃんは伊集院さんの薬で少し
おかしくなってるだけだからさ……とりあえず響さんが息絶えたら、
伊集院さんも連れてここから出よ?」
「……ゆりは、本当に薬のせいなのか?」
「ん?」
疑問の声をあげる憲吾、そして言葉を続けた。
「ゆりは、本当にアイツのことが……」
「っ……なぁに言ってんの憲ちゃん、
あの人は憲ちゃんからゆりちゃんを奪った張本人だよ?
しかも卑怯な手を使ってさぁ……許すって言うの?
今更そんなこと言っても遅いのに?」
「っ……」_ガタッ‥
「憲ちゃん?」
「っ……」
憲吾は突如、手から拳銃を離しその場に落とした。
その音に気づいたゆりは響を抱きしめながら顔を憲吾へ向けた。
「っ……憲吾……?」
憲吾の瞳、それは後悔で満ち溢れているように感じた。
今になって罪の意識に気づいたのかな……
「っゆり……俺……」
「……やっと、分かってくれた?」
「っ……」
顔を俯かせる憲吾、やっぱり気づいているみたい……
そう、憲吾のしたことは許されない……
それでも、
前の憲吾に戻ったような気がしてホッとした自分がいる……。
今なら憲吾を受け入れられるかもしれない……でもその前に……
「……響さん、」
「っ…?」
ゆりは響の名前を呼びながら顔を戻した。
響は重たくなる瞼をあげてゆりを見上げた。