第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー
「っ!?
憲吾、何して…!」
「贖罪だよ……コイツは元から殺されてもおかしくねぇ奴だ。
……ゆり、その悪魔から解放してやるよ。」
贖罪……?
でもそれを憲吾がやる意味あるの……?
憲吾、このまま貴方は……
「っ馬鹿な事言わないでよ!!
私の知ってる憲吾はこんな事しないッ!!
私が好きだったのは……
優しくて、夢に向かって一生懸命努力している憲吾なの……
でも、もうそんな憲吾はいない、
私が好きだった憲吾はいない……」
私が好きだった憲吾はいない……
私が知ってる憲吾はこんなことしないよ……。
涙を流しながら憲吾を見るゆり。
これ以上憲吾に罪を重ねてほしくなかった……。
「っお願い憲吾!!
これ以上誰も傷つけないで……これ以上罪を重ねないで……
今ならまだ間に合うから……」
「……。」
憲吾はゆりを見るがすぐ視線を響に戻した。
「もう、後戻りは出来ねぇんだよ……俺は、
お前を取り戻す為に全て捨ててきた。
後悔も何もねぇ……」
「っ憲吾……だめ、駄目だよこんな事……
こんなの、内山さんや圭吾さん達だって望んでない……」
こんなこと知ったら、内山さんも……圭吾さんも、勇吾さんも……
それだけじゃない、
他の人たちだってこんな事知ったらどれだけ悲しむか……
「アイツらのことなんて、もうどうでもいいんだよ。」
「っ!?
っ憲吾……何言って……どうでもいい?
何でそんなこと言えるの……?」
どうでもいい? 内山さんが?
圭吾さんと勇吾さんが?
一体、貴方の周りで何が起きていたの……
何でそんな酷い事を言うの……
「アイツらは俺らを見捨てたんだよ。
俺はゆりが死んだなんて、これっぽっちも思わなかった。
棺桶の偽物を見ても、すぐにゆりじゃないってわかった。
なのにアイツらも、父親も……ゆりが死んだと思い込んでる。」
「っそんなの当たり前じゃん……!
だって、その為に私のクローンを……」
そう思わせるためのクローンを作った。
みんなを欺く為に……だからみんなは何も悪くない。
むしろそれが普通のことなのに……