第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー
『頑張れよ。
俺も、世界一になるつもりだから……』
『っ憲吾……うん!
一緒に世界一になろう!』
「っ憲吾……」
そうだ……
私は世界一のアイドルに、
憲吾は世界一のボクシング選手に、
私たちは一緒に世界一になろうって約束を……
「俺の夢はお前と一緒に世界一になる事だった……けど、
そこにいるソイツのせいでその夢も台無しだ。
……ゆり、ソイツのせいでお前の夢も壊されたんだぞ?
そんな奴、許せねぇよな?」
響さんのせいで夢を壊された……
別の見方をすればそうなるかもしれないけど……
それでも私は自分から……
「っ……確かに、そうかもしれない……でも!
響さんに着いて行ったあの日……私は全て捨てる覚悟を決めたの……
メンバーや、涼介さん達に迷惑が掛かるのは知ってた。
でも私には……」
「ソイツがそういう選択をさせたんだろ。」
「っ……それ、は……」
憲吾の言葉に顔を俯かせるゆり、
憲吾の言うとおりといえばそのとおりだった、
響が北京以来に自身の元に現れなければ響に惹かれることもなく
ずっと憲吾を想い続けていただろうと……。
そんな中響はゆり達を見上げた。
「……おめぇら、そんな約束してたのか……」
「っ……よくそんなしゃあしゃあとした顔で言えたもんだな……
散々奪いやがったくせに……」
「……。」
「っ憲吾……響さんだけを責めないで……私だって、
我慢しようと思えば我慢できた……でも私は響さんを選んだ、
楽な道を選んだの……憲吾の気持ちも踏み躙って……」
元々は私が招いたこと……私が響さんについていったから……
響さんだけが責められるなんておかしいよ、
私も責められないといけないのに……
「は?
ゆりは何も悪くねぇよ……悪いのは全部コイツなんだよ……」
「っ!?
憲吾、何して…!」
再び銃口を響に向ける憲吾、ゆりはギョッと目を見開いた。