第2章 おしおきの話
「…す、すご~…、」
目の前にそびえ建つ、西洋風の家に感嘆の声を漏らした。
エレン・イェーガー。
ノンが今日からのバイト相手だ。
脳みそがスボンジのノンは、最近、お金が足りなかった。
財布内はいつも空っぽ。
昼食代でいっぱいいっぱいだった。
そんなノンはバイトをしようと決意する。
いっぱい稼げる方法をノンはすかすかの脳みそで考えた挙げ句、家庭教師が一番良い!と独自判断した。
しかしノンの様な、水を含ませても、握ればすぐに溢れだす様な頭で5教科目教えられる訳がない。
しかし、昔から何故か数学だけが得意だったノンは数学だけを教えて欲しいとしている家庭を探した。
そしてある日、声がかかった。
エレン。
15歳の少年だ。
中学3年といえば、ちょうど受験生ではないかとノンは思って話を聞くと、数学だけが何故か点数が上がらないから何とか点数を上げたいとのことだった。
ノンはその話を快く受け入れた。
自分が教えた生徒が高校に合格するという夢を持つと、自然と胸が高まった。
リーンゴーン。
ノンは、結婚式かっ!と、ツッコミをしてしまいそうになった。
普通な一般的な家庭はピンポーンだろ!と頭の中で呟く。
呼び鈴の音は、この家の偉大さをアピールするかの様に鳴った。
暫く待つと、遠くの方にあるドアからカチャリという音と共に長い黒髪を後ろで緩やかにまとめた女性が出てきた。