第4章 僕の従兄弟
シャワーを浴び終えると兄さんも上だけ服を脱ぎシャワーを浴びようとしていた。
「ね、ねぇ・・・兄さん・・・」
「なに?」
「本当に僕の事好きなの?」
犯されている時の兄さんの気にしてない態度が気になって尋ねてしまった。
「・・・好きだよ。」
「じゃあどうして僕を見ようともしなかったの?」
「面白くなかったから。」
面白くなかった?
でもこういう事を始めたのは兄さん。
それなのに満足してない?
「俺以外の奴に抱かれてるのとか面白くないからだよ。」
「でもそれは兄さんが・・・」
「お仕置だからね。綾斗がもうしないと思えるようにしないといけないから。やっぱり嫌だった?」
「・・・うん・・・怖かった。」
「そう、それならこれは間違ってないな。それから・・・綾斗は多分勘違いしてるよ。」
勘違い?
何を?
兄さんが僕とすれ違いざまに口を開いた。
「俺が好きな綾斗は・・・俺の手で傷付いて怯えて汚れてる綾斗だよ。」
「・・・え?」
「他の奴に”汚された"綾斗は大嫌い。だから、今からは俺が1人で綾斗をもっと汚すからね。」
僕の知ってる好きじゃない。
こんなの僕の知ってる兄さんじゃない。
兄さんの愛は歪んでる。
逃げなきゃ。
でも何故か足が1歩も動かない。
恐怖心と大きなショックが僕を動けなくしていた。