第15章 2人の未来
それから兄さんも落ち着きを取り戻し、心療内科へ通院する事になった。
両親も安心したように肩を撫で下ろした。
が・・・
「ごめん!綾斗!」
どうやら、真織が母さんに話してしまったようだ。
どうしてそういうことになったの・・・
折角落ち着いて話せると思ったのに・・・
「・・・もう知らない・・・」
「綾斗ぉ!ごめんってぇ!」
誰もいない待合室で真織が僕の脚にしがみついている。
「ごめんで済む話じゃない!今までずっと両親に隠してきたのに、まさか自分以外の口から言われるなんて!ほんと何考えてんの!?」
「うぅ・・・」
最悪・・・
母さんにどう顔を合わせればいいのか・・・
「ほらほら喧嘩しないの。綾ちゃんもそんなカリカリしないで。」
「母さんっ!////」
恥ずかしい所見られた・・・
けど、何故か優しい笑顔を向けている。
「柊くんから聞かされた時は驚いたけど・・・私達は反対しないわ。だって柊くん凄くいい子だもの。」
「いや、そういう事じゃなくて・・・僕が同性愛者だって事には・・・」
「そんなの気にしない。綾ちゃんは私達の息子だもの。誰を好きになろうが口出しなんてしないわ。幸せになってくれればそれでいいの。」
「母さん・・・」
目頭が熱くなる。
まさかこんなにすんなり受け入れてくれるなんて・・・
母さんが真織に歩み寄り、屈んだ。
「柊くん。綾ちゃんをよろしくね。」
父さんも同じように屈む。
「君には色々と感謝しているよ。本当にありがとう。これからも綾斗をよろしく頼むよ。それから、君みたいな子が家族なってくれるなんて凄く嬉しいよ。」
父さんまでなんて恥ずかしいことを!?
すると真織は慌てて正座し、頭を下げた。
「お父さん、お母さん。時間はかかると思いますが、絶対に幸せにしてみせます。これから先何があっても、綾斗は俺が守ってみせます。」
「ま、真織!?////」
急にお見合いみたいなことしないでもらえる!?
ここ病院!!